ジュリーのシングル曲をネタにして、
昭和の女性が負わされていた女性像を考えてみよう


という無謀なことをやっております。
どこまで続くかわかりませんが、
途切れ途切れにでもやっていこうかと思います。
カテゴリは【ジュリーの曲で考える昭和女性幻想】
できれば、最初から順番に読んでいただけると嬉しいです。




またしても間が空いてしまいました。
ジュリー作曲の「コバルトの季節の中で」でございます。
しかし、この曲はサクッと終わらせますよ。
(と、いつも言ってますが……)
だってね、
この歌詞の中の「あなた」ってのが、
どういう人なのかよくわからなくて、
「女性像を探る!」とかできません。
ええ。

この曲の作詞の小谷夏という名前は、
あのドラマ「悪魔のようなあいつ」の
プロデューサーにして、
ジュリー大好きな久世光彦さんの、
作詞家としてのペンネーム。
んでもって、この「コバルトの季節の中で」は、
ジュリーのいわゆる新幹線事件(ググッて!)の
謹慎明けすぐにリリースされたもの。
という知識があれば、
この歌詞の中の「あなた」は、
ジュリーとしか思えません。
っていうかね、
私はこのへんの知識がまだ薄かったころ、
この曲を聴いて、
なんだかよくわからない歌詞だなあと
思っておったんですよ。
なにか悲しんでる「あなた」を
この歌の主人公は慰めている……のか?
ぐらいのことしか伝わってこない。

で、今回この記事を書くにあたり、
いつものように歌詞カードをよーく読んでみたら…
「あなたを見失いたくないのです」
と言っている語り手と「あなた」の関係は?
以前は恋人だったけど、
今は別れてしまったふたり、とか?
もう恋人ではないけれど、
主人公のほうは未練があって、
「あなた」をずっと見ていて、
「見失いたくないのです」って……、
これは、

ストーカーじゃないかいっ!!?

と、一度思ったら、
もう、そうとしか思えなくなってしまって……、
つらい。

「今朝はなにも話しかけません」って、
実は話しかけられるような関係じゃないんじゃない?
とかね。
「なにか悲しいこと あったのでしょうか」
「風の日は きらいでしたね」
とか、さも「あなた」のことを
よく知っているかのように言ってますが、
「でしょうか」とか「でしたね」とか、
問いかける形になってるせいで、
なんかこう〜、
「あなた」の知らないところで得た情報でもって、
ああもあろこうもあろと勝手に推測してるような、
そんな感じがして、どーもキモチワルイ(すまぬ)。
これはなんでかって言ったら、
この主人公が「あなた」と実際に関わったシーンが
出てこないせいじゃないかと思うんですが、
違いますかね?
あんた、ほんとにこの人のこと直接知ってんの!?
と、問い質したくなります。

だいたい「髪型がかわりましたね」って、
のっけから、おっさん臭がするフレーズから始まってますが、
次には「何か悲しいことあったのでしょうか」なんつって、
「女の髪型が変わる=失恋」っていうイメージを想起させて、
だからなんだっつうんじゃああ!
って叫びたくなるんですよ。
別になんもなくても髪型ぐらい変えるし!
美容院行ったら「このスタイル似合うと思うよ〜」って
オススメされたからやってもらっただけだし!
それを「誰だって秋は独りですね」とか
同情されても困るし!!
仮にほんとに失恋したんだとしても、
あんたには関係ないしいいい!!!

さらに、
主語が行方不明な箇所が多くて、
「ひとりぼっちだった」のは誰?
「やさしさが好き」だったのは誰?
ってなってしまい、
全体に「あなた」を気遣っているように見せかけて、
実は自分のことを言ってんじゃないの?
って気にもなってきます。

というわけで、
歌詞をじっくり読めば読むほど、
この歌は、申し訳ないけど、
なんともキモチワルイとしか思えなくなってしまい、
そこに描かれた女性像を探る、とかもやりにくい。
しかしまあ、この主人公は、
これまでのジュリーのシングル曲の
「僕がこんなに愛してるのに!」
「どーしてあなたは応えてくれないいい!」
みたいな、
ぐいぐい行く恋する男じゃなく、
好きな女になにも求めず、
ただ見守るだけ〜という
優しい(ように見える)男ってことで、
そこが新しいと言えば新しい。
これまで男と女が出てきたらすぐに
恋だ愛だに突っ走ってたのが、
そうじゃない男女の関係もあるんだよってことで、
秋風の中、独りで立つ自立した女性の姿を
イメージすることができる……
かもしれない…………
かな??(歯切れ悪くてすんません)

そんな新しいちょっと大人な男女関係を描いての、
ジュリーの心機一転、再出発の
第一弾だったのかもしれません。
どっちかというと歌謡曲というよりも、
フォークソングっぽいというか、
ソロデビュー曲の「君をのせて」から間をすっ飛ばして、
その後のふたりって感じでしょうか。
あ、そう考えるとちょっと腑に落ちるかもしれない。

若かった「君をのせて」のころ、
肩をぶつけながら歩いていた対等な関係の「君」とは、
いつしか別の道を歩くことになったけど、
「僕」はずっと「君」……
いや、もう大人だから「あなた」だね、
「あなた」のことを見守っているんだよ。
話しかけはしないけど、
「僕」と関係のないところで、
「あなた」に悲しいことがあったのも、
忘れたいなにかがあることも、
ちゃんとわかってる。
「あなた」をこうして見守っていると、
共に歩いていたころの
「しあわせの手ざわりがいまとても懐かしく」
思い出されて、
僕たちふたりが別れなければならなかった
過去はつらいものだったけど、
人はきっと愛しあえるから、
あなたを見失わないでいたら、
またきっと僕たちは、
明日のこと話せるようになるよね。
だから、
「あなたを見失いたくないのです」

って………
うーーーん…
やっぱりストーカーチックだよなあ。

しかし、ここまでのキモチワルイ解釈は、
この歌詞の主人公を一般的な男性として考えているから
キモチワルイんであって、
これまでの曲解釈でも再三言ってるように、
これを歌ってるのはジュリーですからね。
28歳キラキラジュリーが
「あなたを見失いたくないのです」
とか言ってたら、
キモチワルイなんて誰も言いません。
「見失わないでーー!」って、
自分からジュリーの前に飛び出していく勢いですよ。
しかも、ジュリー作曲のメロディがなんとも爽やか。
軽快なイントロの後、優しげなジュリーの声で
「髪型がかわりましたね〜」
とか言われたら、
「うわー、髪型に気付いてくれるなんて、
 私のことちゃんと見てくれてるのね〜」
てなもんです。
んでもって、
サビに向かって駆け上がるようなメロディで、
高く晴れ渡ったコバルトの秋空の下、
ちょっと冷たい風に吹かれて佇み、
新たな一歩を踏み出そうとする、
やっぱり美しいジュリーが浮かんでくるっていう、
ジュリーマジックですよ。
ずるい。

まー、ジュリーの曲はそんなんばっかりですけどね。
特に次のシングル曲から始まる
阿久悠氏作詞のヒット曲の数々は、
これが歌ってるのがジュリーじゃなかったら、
グーでパンチのてんこ盛りです。
なので、次からの歌詞解釈は悪口多めかも…
阿久悠氏の歌詞が好きな方、すみませんすみません。
(今からあやまっとく)

ジュリーは今年のツアーのアンコールでも、
この曲を歌ってくれています。
今ジュリーが歌う「コバルト」は、
ストーカー臭はせず、ただただ爽やか、
に私には聴こえます。
ジュリーも歳を重ね、
若い頃よりずっと表現力が増している
ということもありますが、
それを受け取るこちら側も同じように年食ってるわけで、
ジュリーに甘〜く
「見失いたくないのです〜」なんて言われたからって、
「え!? 私を見ていてくれるの??」なんつって、
即座にぽわわ〜〜んとはならなかったりする。
今ジュリーが「忘れたいなにか」とか「過去」とかって歌うと、
「あ〜〜、いろんなことがあったんだろうなあ」
「私も平凡だけどそれなりにいろいろあったしなあ」
なんて、しみじみしたりね。
あ、ぽわわ〜〜んてなってもいいんですよ。
28歳のジュリーとその当時の自分に戻って聴いてもいいですし、
今ジュリーと思い出の中のジュリーと自分でもいい。
昔のヒット曲を今ジュリーが歌うときは、
来年デビュー50周年の、長ーいジュリーの歴史の、
どのシーンを思い浮かべながら聴くかは、
聴き手であるこちらの自由です。
年をとって、ジュリー自身も表現力も幅広く(身体ではなく!)、
多層的になっていて、
一方の聴き手の側の受け止め方も人生いろいろで、
ものすごく多様になっている。
なので、同じ曲でも聴く人それぞれ、
聴くときどきで違うイメージが湧いて、
それがすごく楽しい。
私が今ジュリーのライブに何度も足を運ぶのは、
そんな楽しみ方ができるからということもあります。
なので、ジュリーの最近のライブでは、
ヒット曲以外は90年代以降の曲が多めなんですが、
ヒット曲以外の70〜80年代の曲も
もうちょっとやってほしいなあと、
思ったりもしているんですよ。
90年代のバリバリロックもかっこよくていいんですが、
70年代のアルバム曲とか、
当時の音源の若ジュリーの甘ったるい声で聴くと
「なんじゃこりゃあ!?(すまぬ)」って曲も、
今ジュリーの深い声と歌唱力で聴いたら、
また違う聴き方ができるかもしれないですしね。


と、表の解釈はこんなところで。
結局長くなっちまったか?

んで、《裏》なんですが、








【続きを読む】



8月29日から開催してました
芦田みゆき写真展「南南東」は、
昨日(9月10日)、盛況のうちに最終日を迎えました。
閉店時間(17:00)までお客さんがいてくださり、
賑やかな最終日となりました。
会期中、足をお運びくださったみなさま、
ありがとうございました。

私は、2週目の9月5日から毎日、
昼間のお留守番として原宿に通い、
画廊の片隅でひっそりと、
お客さんのいないときは本を読んだり、
ぼやーっとしたりして過ごしました。

んで、来てくださったお客さんが、
展示を見終わったあとに、
見本で置いてある手作り写真集に興味がありそうな様子だったら、
すかさず、
「これ、私が作ったんですよ〜」
「全部手作りです!」
と自慢(?)して売り込み……
したかったんだけど、
写真集はなんと、最初の1週間で完売してしまったんです!
手作りゆえの限定20部だったんですが、
こんなマニアックなものを買ってくださる方が
そんなにいらっしゃるとは、びっくり。
「会期中に全部売れるといいね〜」
ぐらいの気持ちでの限定20部だったんですが、
あっという間でした。
本当にありがとうございました。
売る分がなくなっても、
見本を見せて自慢だけはしっかりしました(笑)。

さらに、
「売れなくてもいいから、
 過去作品として一緒に並べようよ」
と並べていた
【双花町についてあなたが知り得るいくつかのことがらpaper version】
の、【1】【2】【3】も、
すべて完売!

ええ〜〜!

びっくり&ありがとうありがとう。
思うに、こういうヘンな(?)手作り本は、
文フリとかの文芸方面よりも、
写真展とかのアート方面のほうが、
ウケがいいのではないかと。
今さらですけどね。
こういう棲み分けみたいなものも考えながら、
今後の本作りをやっていきたいと思います。


というわけで、
珍しく(?)仕事も忙しかった怒涛の8月が終わり、
一大イベントだった芦田さんの個展も終わって、
抜け殻状態ですが、
【ジュリーの曲で考える昭和女性幻想】の更新もしなければ。
ほんと、なかなか更新できず、
お待ちいただいているジュリーファンの方々には
申し訳ない気持ちでいっぱいですが、
ゆっくりのんびりお待ちいただけるとありがたいです。
次は【コバルトの季節の中で】ですね。
途中までは書けてるんですよ。
私の中では、この曲までが、
ジュリーソロ期第一期と位置付けられてまして、
なので、ここまで仕上がったら、
一度ちゃんとまとめて紙の本にしようかなあということを
考えております。
今年中か、来年早々にはなんとかしたいと思っております。
予定は未定ですが、
宣言して後には引けなくなる作戦です。よろしくです。

次に参加予定のイベントは、
11月23日の「第二十三回文学フリマ東京」です。
いつものように【稀人舎】として出店いたします。
ミニ詩集や小説、エッセイなど、
いくつかの個人誌を発行する予定です。
詳細決まりましたらまた告知します。



芦田みゆき写真展、開催中です。

https://www.facebook.com/events/643293309180864/

http://www.omotesando-garo.com/link.16/asida.html

この写真展の展示作品を元にして作った写真集も、
会場にて絶賛販売中です。

写真集

いろいろ仕掛けのある写真集ですが、
全部私が手作りしました。
特別な材料や道具は使ってません。
普段、私が手作り本をこんなふうに作ってますよ、
という意味も込めて、
芦田みゆき写真集「南南東」のつくり方、大公開!


1)プリントします。

プリント

プリンタはうちのレーザープリンタ、
Canon iR-ADV C2020Fです。
紙は、
アワガミさんで手配していただいた「白峰」と「竹和紙」、
ミラーコート、
レーザープリンタ用OHPフィルム、
です。
和紙とミラーコートはA3、フィルムはA4。

うちのプリンタはカウント式でお金を取られるので、
できるだけ大きくプリントしてカットします。
今回は片面プリントのみなので、
両面の位置合わせがなくて楽。

2)和紙をちぎります。

ちぎる

和紙は、展示の「耳付き」の雰囲気を再現したかったので、
「水切り」という方法でまわりをちぎりました。
切り取りたいところを折って軽く筋を付け、
そこに水を塗ってふやかし、両側にひっぱるようにしてちぎります。

これを1部につき13枚。
ちなみに、「白峰」は薄いけど丈夫でちぎるのに力がいりましたが、
「竹和紙」はちぎりやすかったです。

3)ちぎった紙の端

紙端 和紙端白い


ちぎった紙の端は、こんなふうにモサモサしてて、
紙の耳っぽくありません。
なので、

4)水で溶いた糊を塗る

糊 紙端に糊を塗る

端に色をつける

「白峰」は生成りっぽい色ですが、
「竹和紙」は紙をちぎったあとのもふもふも真っ白。
なので、写真の色に合わせるために、
「竹和紙」の紙の端には、少し青い絵の具を混ぜた糊を塗りました。

5)乾かします

乾かし中

6)乾かしてる間に

フィルム 箱展開図

フィルムや箱の用意。
OHPフィルムは、左右反転でプリントして、
プリントしてない側から見るようにします。
そうするとツルンとした感じが出ます。

7)乾いた

糊乾いた

紙の端のもふもふが糊で固まって、
ちょっとちゃりちゃりした手触りに。
いわゆる「紙の耳」とはちょっと違うけど、
もふもふよりはいい感じ。

8)フィルムと和紙をセット

文字のフィルムをセット ページができた2

文字をプリントしたフィルムと和紙をテープ糊で仮止め。

9)ホチキス

ホチキス 冊子綴じたとこ

冊子をページ順に重ね、
ずれないようにクリップで固定して、
ホチキスでガッチャン!
分厚いので念のため3箇所止めてます。

10)製本テープ

製本テープ 冊子完成

赤い製本テープでホチキスを隠すように、
背の部分をくるんで、冊子は完成。
「竹和紙」でプリントした3枚は綴じないで、
挟んであるだけです。

11)箱(カバー)を作る

箱切り抜き完了

箱型のカバーは厚手のミラーコートで作ります。
写真も2枚一緒にプリントし、カット。

12)フィルムを貼る

フィルムは製本テープで フィルムを貼ったとこ

箱を開いた左側には
フィルムにプリントした写真を2枚、
製本テープでセットします。

13)冊子をセット

冊子は両面テープで 冊子を貼ったとこ

箱の右側には、
作っておいた和紙とフィルムの冊子を
両面テープで貼り付けます。

14)ゴム!

ゴム ゴム取り付け ゴム取り付け表側

で、ゴムです。
普通のパンツのゴムです。
白いゴムに赤のハイマッキーで色を付けました。
それを、箱の蓋の端に切り目を入れて通し、
100均で売ってる色付きのホチキスの針で止めます。

15)完成!!

完成


慣れれば、1部作るのに2時間ぐらいでしょうか。


完成した写真集は限定20部(なにせ手作りなもので)、
現在開催中の芦田みゆきさんの写真展「南南東」にて、
絶賛販売中です。
会場には見本も置いてありますので、
写真展においでの際は、ぜひお手にとってご覧くださいませ。

私は、明日(3日)はオープンから3時ごろまで、
来週(5日〜10日)は、オープンから夕方6時ごろまで、
在廊の予定です。