私がブログを立ち上げたり、いきなり頓挫したりしているさ中、
申し込んでおいた、ISBNの通知が届きました。
8月25日。

ISBNつうのは、まず「出版者記号」てのが決められて
送られてくるのな。

うちの(というか名義は父の)「出版者記号」は

「9902700」

私は「発行可能点数10点」というのを申請したので、
「出版者記号」は7桁。
「発行可能点数100点」だと6桁だ。ふーん。

これに、「4」→日本という意味の番号を頭につけて、
ハイフンでつなげて「出版者記号」、
またハイフンで「書名記号」というのを書く。
「書名記号」ってのは、出版した本の通し番号のようなもの。
まあ普通、順番に「0」「1」「2」……というふうにつける(と思う)。
で、最後は「チェック記号」というやつで、
「書名記号」までの9桁の数字から、
決められた計算式でもって算出される数字だ。

で、これにしたがって、父の本のISBN番号を作成した。

「4-9902700-0-2」

おおう! なんかただの売れ残りの本がえらくなったような気がします。

で、次に「日本図書コード」ってのを決めます。
「分類コード」ってのと「価格コード」っていうやつ。

知らないことがいっぱいだ。はひー

まず「分類コード」
「C」が頭についた4桁の数字で、これで、
販売対象、発行形態、内容分類を表す。
販売対象は、一般なので「0」
発行形態は、単行本なので「0」
内容の、大分類は「文学」で「9」
中分類は「随筆」なので「5」

これを組み合わせて、「分類コード」は「C0095」だ。

あとは「価格コード」(はあひい)
頭に「¥」(これの横棒が一本のやつ)をつけて
消費税抜きの「本体価格」を表示し、最後に「E」をつける。

父の本は税込価格1600円なので、
「本体価格」を1524円にする。

で、「価格コード」は「¥1524E」

市販しない書籍には「分類コード」「価格コード」は不要だそうだが、
このときの私はまだ(まだかよっ)市販する気でいたのだ。

というか、せっかくJANコードも申し込んでしまったのだから、
バーコードも作ってしまおうと思っていた。

だいたい、バーコードが、どうゆう時に必要なのか不要なのか、
よくわからなかったのだ。

取次を通さずとも、置いてくれる書店が
もしかしたら今後あるかもしれない。
そしたら、バーコードは必要なのでは?
自分のHP上で注文を受けてネット販売するだけなら
バーコードは必要ないだろうが、
万が一、ネット販売を請け負ってくれる業者があったら、
そのときはバーコードは必要? 不要?

取次を通すことが絶望となった今では
バーコードは不要と思われるが、
今後の展開次第で必要にもなるかもしれない…

ええい! わからないなら作ってしまえ~
付いてて悪いってことはないだろう。


上記のさまざまなコードを決めて、
書籍バーコードというやつをネットで注文した。
9月22日。

日本バーコードさんという会社で、
ネットのフォームでISBNと図書コードを送ってやると、
あっという間にバーコードを
イラストレータのデータにして送ってくれる。
その間30分! 超早。ひとつの書籍分で3500円。

これをさっそく印刷用のデータに作り変えて、
前に作っておいた帯と一緒に、
知り合いの印刷屋さんに見積もりをお願いする。

さあ、次はなんだー


つづく

それまで私は「ブログ」ちゅうものをよく知らなかった。

mixiもやってるし、自分のHPもあって、
そっちでも日記書いてるし(あんまり更新してないけど…)
必要がなかったので、

「なんか、流行ってるみたいだねえ~」

くらいにしか認識してなかった。
自分でHPを組む知識のない人が使う、お手軽掲示板?とか。

しかし、なんとか本を売るための宣伝をしなければ、とは思うが、
一から新たにHPを作るのはしんどいなあ、どうしようかなあ、
と踏み出せないでいたとき、
ちょうど、取次のことを調べるために読んでいた
「38万円で本ができた―個人出版がおもしろい」の中に

「ブログで本の紹介をしよう」との記述が。




そもそもこの本自体が、元はブログで書いていたものが
人気が出たので本にまとめたものだという。

ほほーん、と目から鱗がちょっと落ちそうになった私は、
それまでまともに見たことのなかったあちこちのブログを見て回った。

それまでの私のブログのイメージは、
定型のフォーマットの中に日記だけを打ち込んである、
というものだったのだがっ!

いや~あ、世の中の進歩って、すごいね。

テンプレートとはいえ、たくさんのものが用意してあるし、
カスタマイズも簡単。
写真もバンバンアップできて、カテゴリ分けもできる。
当然リンクも貼れる。

ここに至って、私の目の鱗はボロボロ落ちまくり。

これだったら、自分でhtml組んでタグ打ってHP作るより、
簡単に、しかもきれいなサイトができるじゃーん。

で、とりあえずどんなもんか勉強のためと、
すでにIDを持っていたYahooブログに登録してみたのだった。

「すてーーき(≧▽≦)」の「ジュジュ」キャラでやることも
ちょっと考えたが、これを長く続けるのはつらすぎる、と判断して、
「ネット不慣れな」「藤沢周平好きの」「東京在住者」という、
「ジュジュ」の姉キャラくらいのセンで行くことにした。
最初はあまり素性を明らかにしない方向で、様子を見ながら。

その、Yahooブログで、
自己紹介やら、時代小説を中心にした読書記録やらを書き始めたのだが、
Yahooブログは、ベータ版だからなのかどうか知らないが、

とにかくやたらと重い。

特にアクセスが集中するらしい夜の時間帯は、
PCが止まったかというほどののろさだ。
うちのネット環境のせいかとも思ったが、
他にも「重いね」と書いているブログもあったので、
自分だけじゃなさそうだ。

ブログの命は頻繁な更新、と分かってはいたが、
その動作の重さにだんだんと足が遠のいていった私だった。

しかも、そのブログで私は「鶴岡紹介」をやろうと企てていたのだが、
それも早々に頓挫の憂き目を見た。

そんなに私本人がしょっちゅう鶴岡に帰省するわけにはいかないので、
父に毎日の日課である散歩の途中で、市内の写真を撮ってもらい、
それを「旅行記」とか「地元紹介」のようにして載せようと思っていた。

なので、そんなに美々しい写真でなくともよくて、
というか、むしろへたくそな方がいいくらいのスナップ写真で
「こんな街角ですー」てな調子でやろうとしていたのだが……

父「俺にはそんないい写真なんか撮れねえから」
私「いや、いい写真なんかじゃなくていいから」
父「本の中身に関係ある場所っていったら海とか普段行かないから」
私「そうじゃなくて、鶴岡の普通の街の様子でいいから」
父「鶴岡を紹介するんなら、ほれ、この写真を使えばいいでねえか」
(トランヴェールの鶴岡特集を示しながら)
私「それは著作権があるし、そんなプロの写真じゃなくて……」

……話し合いは、平行線のままでした。

そもそも父は、自分の本は、私が考えているような
迂遠な姑息な手段で宣伝などしなくても売れるはずだと考えているらしく、
自分で売るための努力をする気などまったくないのだった。

殿様商売もいいとこである。

そんな調子で本なんか売れるもんかっ!

父の協力を得られず、
私のブログ宣伝計画は当面停滞することになったのだった。


つづく

ネットで本を売るなら、やはり宣伝もネットだ。

というか、企業のように宣伝にお金をかけられるわけでもなし、
ネットならば、安上がりに効果的なことがなにかできるのではと思った。
(みんな思ってることだろうけどね)

試しにGoogleで、「藤沢周平」を検索してみると……287,000件!
「藤沢周平 鶴岡市」では、9,350件!
企業や公共団体から個人のHPまで、すごい数だしすごい充実ぶりだ。

これだけ、「藤沢周平」「鶴岡市」「海坂藩」について
語りたい人がたくさんいるということは、
その分、情報も求められているということではないだろうか。

「藤沢周平」や「鶴岡市」のことを独自に紹介するHPを作って、
ある程度、客を引き寄せたところで、
「鶴岡」つながりで、父の本のことを持ち出す……

しかし、「鶴岡市」と、父の本をどうやって結びつけて宣伝するか…

「藤沢周平」は地元出身で馴染みのある作家だし、
私は時代小説好きなので、ある程度の作品は読んでいるし、嫌いではない。
というか、かなり好きな作家の一人だ。これを褒め倒すのは簡単。

だがしかし!
出身地である「鶴岡市」を褒めるというのがどうも、できない。
最近でこそ、「海坂藩」ブームで注目されているとはいえ、
私が暮らしていた二十数年前は、ただのしょぼい田舎町だった。
最近も、年に一回ほどの割合で帰省しているが、
妙な開発でどんどん特徴のない、しょぼい街になっていっているような
気がしてならない。

そんな街を
「まさに海坂藩そのままの美しい城下町!」だの
「東北の人情あふれる街!」だの
「日本のふるさと!」だのと
紹介する気にはどうしてもなれない。

加えて「父の本」である。
売れ残りの、自己満足満載の、地元自慢、自分自慢のエッセイ集など、
恥ずかしすぎて、褒めて宣伝することなんて絶対できない……

ううーーん……と3分ほど頭を抱えた私は、ふとひらめいた。(はやっ)

どうせネットなんだから、架空の人物をでっち上げて
そいつに語らせればいいのではっ!


まあネカマみたいなもんである。

で、作り上げたのが
「鶴岡、藤沢周平大好きっ子のジュジュでーす(はぁと)」
というキャラクターだ。
(20代前半、ちょっと頭軽めな感じで)

「あたしってぇ、東京生まれの東京育ちで田舎ってのがないのね!(>_<)
 小さいころから、休みになると田舎に行くっていう友達が
 うらやましくってうらやましくってぇ(T_T)
 そんなあたしが今ハマッテるもの!それは!
 「たそがれ清兵衛」の藤沢周平アーンド鶴岡市!\(^O^)/
 真田広之様が昔から好きで好きで……(;´Д`)シブイッ、
 真田様目当てに観た映画なんだけど、これがっ!もうっ!!(>△<∥)
 あたしのイメージしてた「田舎」の風景、
 そのものっっ!!!(゚_゚)(。_。)(゚_゚)(。_。) ウンウン」


とかなんとか盛り上げて、「旅行してきましたー」とかいって、
鶴岡の写真をてんこ盛りにアップして、
「すごーい」「すてきー」と語らせて、
しばらくしたら、

「○度目の鶴岡旅行で、すてきな出会いがありましたっ(*^_^*)
 なんとなんと78歳のお・じ・さ・まd(^_^o)グーッ
 このHPを通じてメル友になった○○ちゃんの紹介なんだけどぉ、
 このおじ様が、聞けば藤沢先生と2歳違い!( ノ ̄∇ ̄)ノ
 同じ時期に同じ学校に通っていたこともあったとかっっ
 _(_ _)ノ彡☆バンバンッ
 で、このおじさまもご本を書かれていてぇ、これがまた(≧▽≦)
 鶴岡のすてきな時代のすてきな思い出満載のぉ……」


とかなんとか、つなげられないかなーっと。

最初に考えていたときよりさらに迂遠な気もするが、
これを考えるのはなかなか楽しかった。

楽しかったけど……
このHP作りのことを妄想していたころは、
頭の中の半分ほどが常にこの「ジュジュ」キャラに占領されていて、
非常に、疲れた…… アホウだな>私。

で、まあ妄想は妄想として、
どうやって宣伝用のHPを作ろうかなーと考えていたときに、

「ブログ」という案が浮かんだのだった。


つづく

さて、話は取次の謎が解けるその前にさかのぼるが、

父の本が仮にAmazonに登録されたとしても、
それだけでバンバン注文が来て、飛ぶように売れる、などとは、
いくら頭がピヨピヨにおめでたい私でも思ってはいなかった。

なにかしら、父の本やその内容や父の名前に興味を持って、
検索をかけてもらわないことには、注文画面には行き着かないのだ。

まず考えたのは、帯を変えることだった。

まだこのころは、普通の書店の棚に置いてもらうことも妄想していたので、
帯に派手なアオリ文句を入れることで、
ある程度の注目を集めることもできるのではないかと考えた。
まあそれよりなにより、以前に作った帯が、
私は気に入らなかったってのが、一番の理由なんですけどね。

今、本にかかっている帯には父の考えた文言が印刷されている。

「えしぇこぎ、ぶしゃれこぎのもんじゃくたねえこと」

………まるで呪文。

山形県庄内地方の方言なのだが、
出身者の私でも、その意味を正確に説明することはできないし、
だいたい日常生活では、地元の人間ももはや使わない言葉の羅列である。

かっこつけの父は、この、今では年配の人でもよく分からない方言を
帯につけることで、奇をてらったつもりらしいが、

帯で奇をてらってどうする。

帯は本を売れるようにするためにつけるものだ。

しかも色も地味なモスグリーン。
カバーの色と合わせて洒落たつもりらしいが、目立たない。

まず色を金赤(真っ赤)にして、
表1側(表紙側)に入れる文句を眼を引くものに代えよう。

なにで眼を引くかと考えて、思いついたのが「藤沢周平」である。

鶴岡出身の藤沢周平氏の小説があいついで映画化され、ロケ地にもなり、
今、鶴岡は空前の藤沢周平景気だ。

いや、景気がいいかどうかは知らないが、
とにかく、全国的に知名度の高い藤沢周平と、
その映画の人気にあやかろうと、
市を挙げての一大キャンペーン中のようだ。

JR東日本も、旅行会社も、
藤沢作品中に出てくる架空の藩「海坂藩」に行こう!と
鶴岡のことを宣伝している。
各大手出版社からも、藤沢周平がらみで鶴岡の紹介本が
続々と出版されている。

で、「藤沢周平」「海坂藩」は全国で通用する宣伝文句になるぞと
私は、それにちなんだ宣伝文句をひねり出した。

「あの藤沢周平の海坂藩のモデルになった鶴岡市……云々」

ってな感じ。
「藤沢周平」「海坂藩」という文字は大きく目立つようにデザインだ。
ううーーん…… 
かなり苦しいが、市販の本だって似たようなことやってんじゃんっ
と開き直って、それで行くことにした。

念のため、出版社に勤める友人に、
こういう宣伝用に誰かの名前を使う場合、
どこかに許可がいるのかと聞いたが、
「ウソさえ書いてなければ、いんじゃない?」とのことだった。
(ほんとかっ!?)

「藤沢周平」の名前に反応して手にとってしまった人は
中身を読んで「騙された」と思うかもしれないが、
ちゃんと読めば、ウソなどどこにも書いていない。
うう… 三流広告の常套手段だ。
なんとなく忸怩たる思いもあるが、いいとしよう~

宣伝文句が決まった私は、30分たらずで印刷用のデータを作った。
こういうことに関してはプロなので、すぐできる。くふふ

ISBNの番号を取得してバーコードができたら、
それと一緒に知り合いの印刷屋さんに、帯の印刷も頼もう。

しかし、いくら帯を効果的な宣伝文句に代えたところで、
家に積んで置いては、なんの役にも立たない。

「藤沢周平」がらみで、なにかできないかと、
なおも考える私であった。


つづく

ISBNとJANコードの申込書を投函して、
「ミッション1、終了!」
と、一人でガッツポーズを決めていた私だったが、

Amazonに代表されるネット書店と取次会社との関係は、
もやもやした疑問のまま、残っていた。

ISBNを取得すれば、おのずと知れるのかもしれない、
と、お気楽なこともこの期に及んでまだ考えていたが、
日本図書コード管理センターのHPを隅から隅まで読んでも、
それらしいことにはなにも触れていない。

ISBNを取得した本は、日本書籍出版協会というところが
管理しているデータベースに登録でき、
取次、書店、ネット書店、図書館などから検索できる、とあるが、
自動的に登録されるわけではなく、自己申告のようだし、
出版業界すべての会社・書店・ネット書店が、
そのデータベースを元に本を売り買いしているわけではなさそうだ。

謎が謎を呼ぶ…

ネットで調べても埒が明かない疑問が膨れ上がり、
「本を一冊買ってきて読んでみようかいね」
遅ればせながら、自費出版のノウハウ本をなにか読んでみることを
やっと思いついた私だった。おそっ

Amazonで「自費出版」で検索をかけると、42冊の本がヒットした。
(2005年8月現在)

その一番上に出ていた「38万円で本ができた―個人出版がおもしろい」
という本を注文してみた。1000円也。


この本は、出版社を経営している「両国の隠居」と名乗る著者が、
ブログで書いていたものをまとめたもの。
この本自体も38万円で作っていて、
「これぐらいの体裁の本なら何百万も出さなくとも作れますよ」
と、父も乗ってしまうところだった自費出版業者の商法に異を唱えている。

実は、ネットで調べようとあちこちさまよっていたときに、
このブログにも立ち寄ったこともあった。
しかし、そのときの私は「38万円で本ができる」という題名だけ見て、
今すでに本ができあがってしまっている私には必要のない情報だと思い、
中身をよく読まなかったのだ。

本、読みました。よーっく読みました。

「取次に本を扱ってもらうためには、取次口座というものが必要」
「取次口座は法人であっても簡単には作れない」
「個人で作った本を書店に並べるには、
 取次口座を持っている既存の出版社に依頼するのが一番」
「ネット書店でも販売経路は一般の書店と同じ」
「取り扱ってくれる発売元の出版社がきまったら、
 ISBNを決めてもらって、カバーなどに印刷しましょう」
「印刷にかかる前に、発売元の出版社との
 きっちりとした打ち合わせが必要です」


………

自分の勘違いというか、無知というか、
大ばかさ加減が、ここに来てはっきりとくっきりと認識されました。
やっと。

今売れ残っている本を、どこかの出版社に持ち込んで、
発売元になってもらうにしても、
もうすでに3万円近くを払い込んで、
独自のISBNの申請をしてしまっている私…

ま、ちゃんと考えれば、当然の結末ではあったのだけど、
Amazonで販売の道は、私の前でぴったりと閉ざされたのだ。
というか、最初から閉じていたのだ。

がっくり

しかーし!
当初の第一目標だったことが不可能と分かって、がっくりもしたのだが、
逆に私の中に、ちょっと燃えるものが生まれたのもこのときだった。

「不可能を可能にできたら、おもしろいじゃん?」

さて、そのためには、なにをどうしたらいいんでしょうか。


つづく