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ジュリーのシングル曲をネタにして、
昭和の女性が負わされていた女性像を考えてみよう


という無謀なことをやっております。
どこまで続くかわかりませんが、
途切れ途切れにでもやっていこうかと思います。
カテゴリは【ジュリーの曲で考える昭和女性幻想】
できれば、最初から順番に読んでいただけると嬉しいです。




読んでくださっている方はいるんでしょうか。
久しぶりの更新です。
「なるべくペースを上げて更新していくつもりです」
なんて新年の抱負で言いましたが、
ほんとに予定は未定になっちまいましたね。
すみませんすみません。
こんな私ですが、
やれる範囲でぼちぼちやっていきますので、
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


で、満を持して(?)の今回は
「ウィンクでさよなら」
現・松任谷由実、当時の荒井由実である
ユーミン作詞、
加瀬邦彦さん作曲の、ポップな一曲です。

前回の「立ちどまるなふりむくな」で、
ほぼソロデビューからずっと引き継いできた
「僕」=悲恋のジュリーの世界観は終わり
ということなのか、
この歌詞の主人公は、別人と言っていいぐらい、
これまでのソロ曲とは、
がらっとキャラが変わってます。

これまでの「僕」の恋は、
再三言ってるように、とにかく真面目。
そして、重い。
愛に生き、愛に死ぬ、みたいな。
比較的軽いノリの「恋は邪魔もの」だって、
前の女のことが忘れられない、とかさー。
重いんだよっ!
「許されない愛」にハマっちまって、
「あなただけでいい」「死んでもいい」と、
ただただ嘆くだけだった「僕」も、
少しずつ大人になって、
「堕ちてゆくのも幸せ」とか言っちゃったり、
「立ちどまるなふりむくな」なんつって、
相手に命令したりするようにもなりましたけどね。
まあ、一貫して真面目で重くて暗く、
ひとりの人を思い続けている。
そしてその恋は(ほぼ)実らない。

そ・れ・が!
この「ウィンクでさよなら」では、
のっけから
「あなたの写真を裏返し
 別の誰かと部屋でキッス」
ですよっっ! まあ、奥さん! 大変!!
しかも、「浮気」ってはっきり言ってるし。

どーしちゃったんですか?
ジュリーー!


今までの「僕」だったら、
本命の彼女じゃない、
他の誰かとイイコトしたとしても、
これは「浮気」なんかじゃないんだ〜、
どっちのことも僕は愛してるんだ〜
ぐらいなことを言ったんじゃないかと思うんですよ。
もしくは、
大事な人がいるのに他の女によろめいてしまった
いけない僕……
ああ、なんて罪を犯してしまったんだーー!
みたいにうざく嘆くとかね。
なのに、
「心はちっとも燃えなかった」
とか言っちゃっておしまいだし。
その浮気相手の女にも大変失礼じゃないですか!
燃えてもらえなかった女の立場は!!?
と、ついモブキャラ属性な私は考えちゃいますが、
1976年、28歳のキラキラジュリー、
その場限りの浮気相手でもなんでも、
キスできるだけでもいいわ〜ってなもんでしょうか。
アフロな髪型ヘンだけど(笑)

そう、このときのジュリーは、
あの(!)アフロヘアーでのご登場。
はっきり言って……似合わなーい!
(すまんジュリー)
本人も違和感ありまくりだったみたいなことを
どっかで言ってたし、
まわりにも不評だったのか、
夜ヒットDVDを見ると、
76年4月26日に新曲披露つって、
あの髪型で出たあと、
ほんの2週間後の5月10日に出たときは、
アフロじゃなくなってます。
無理矢理パーマを伸ばした感じで、
これもまたビミョウな髪型になってますが…。
しかし、最初見た時は
「あんた、誰!!?」
ってなアフロジュリーも、
にこにこ歌いながら
「I love you」「I need you」
つって王子様ポーズで手を差し伸べて跪く動画を
繰り返し見てると
だんだんかわいく思えてくる不思議。
ジュリーマジックですなあ……。

というように、
髪型含めて設定大幅変更の新キャラ、
ジュリー=歌詞の中の主人公は、
「あなたと出会ったときめきがこの頃色あせて
 塗りかえなくちゃいけないと思っただけ」
とか、いい加減な浮気の言い訳をしてみたり、
「あなたにあっさりウィンクでさよならされそうで
 気が気じゃないのは誠実な気持のしるしだよ」
なんていう、んなわけねーだろ的な
誠実アピールをしてみたりしつつ、
「やっぱりあなたのほかにない」
なんつって、無理矢理キメてますが、
それに対する女=「あなた」がどう思ってるのかは、
この歌詞だけではよくわかりません。
「見慣れぬコンパクト」に「気づかぬふり」とか
「クール」とか描写はありますが、
これは主人公から見た「あなた」ですからね。
コンパクトには気づかぬふりをしてたんじゃなくて、
あまりのことになんて言っていいかわかんなくなって、
絶句してたのかもしれないじゃん。

っていうか、
彼氏のベッドに自分のじゃないコンパクトがあるって、
もんのすごく決定的な状況じゃないですかね。
さすが、のちに「真珠のピアス」なんつう、
史上最高レベルにいやんな曲を作るユーミンですねっ
あ、てことは、ユーミンは「真珠のピアス」で
今度はこの浮気相手の方を主人公にしたってことか。
モブキャラにも光を!
ありがとうユーミン(そうか?)
いやしかし、本命彼女の側から見ても、
あの真珠のピアスを引っ越しするときに見つけた
「かわいいあの人」は一体どうしたのか。
「気づかぬふり」をしたのか、
それとも「ウィンクでさよなら」したのか…、
なんてことまで考えちゃいますよね。
考えませんか?
考えましょうよ。

そんなこんなを考え合わせるに、
やっぱり傍からは「クール」なように見えても、
心の中は煮えたぎってたんじゃないかと、
私は思うんですが、どうですかね。
まあ、それを薄々察知しているからこその
「あっさりウィンクで さよならされそう」
ってな心配をしてるわけで、
それはそれでなかなか鋭いっつうか、
少しは彼女の気持もわかってるか?
っていう気がしないでもないですが、
そんなん言いつつも、最後は
「やっぱりあなたのほかにない」なんて、
超絶かわいい笑顔&小首かしげを炸裂させてるあたり、
「そんな怒ってたって、
 どうせこの僕がにっこり笑って、
 あなたのところに戻ってきたら許してくれるんでしょ?
 だって、あなたは僕のことが好きなんだもんね?」

みたいな甘えたが透けて見えて、
もんのすごくムカつく。
でもかわいい。
でもムカつく。
でもかわいいいーー!
うきーーー!

と、まあ、こんなふうに
身を引き裂かれるようなことになってる時点で、
すでに私はユーミンの術中にハマってるわけですが、
タイガースの頃からファンだったという
ユーミンにとってのジュリーは、
こういうイメージだったんでしょうかね。
あ、いや、ジュリーのイメージというよりも、
「ジュリー」というキャラは、
こういうふうだと楽しいなと思っていたのかも。
そこが、
長い時間もっと近くにいられて、
キャラとして見る余裕なんてなく、
「ジュリー」の中の人=沢田研二に
片思いしていたというZUZUさんとの違いですかね。
ZUZUさん(安井かずみさん)は、
ジュリーのことが大好きだったせいで、
ジュリーが歌う歌の中の「僕」を
本当のダメ男に書くことが
できなかったんじゃないでしょうか。
だから、ZUZUさんの歌詞の中の
「僕」=ジュリーは超真面目。
せいぜい「危険なふたり」
かわいく駄々をこねるぐらい。

で、その相手の「あなた」も、
真面目に「僕」を愛している。
っていうか、「僕」はジュリーなんだから、
「あなた」は彼を愛しているに決まってる。
言ってみればこれは
ファン代表ZUZUさんの夢小説ですからね。
でも、
年上だったり、(たぶん)不倫だったり、
死んでしまったり(!)
ふたりの間には様々な障害が立ちはだかるのだ!
じゃーん!
それに対して「僕」は、
自分たちの愛を引き裂くその状況を嘆き、
「愛しているのに」とか
「どこかに奪って逃げて行きたい」とか
ふるふる言ってるわけです。
これも何度も言ってるように、
ここでの女はそんな状況に左右されるばかりで
自主性はないように見えます。
それで愛を諦めるか食い下がるかは
「僕」=ジュリーに委ねられているんですね。

それに引き換え、ユーミンの方は、
タイガースの追っかけだったという話もありますが、
その頃はまだ中学生。
恋愛対象というよりも、
「星の王子様」の「ジュリー」というキャラとして
好きだったんじゃないかと思われます。
だから、ある程度ジュリーのことを突き放して、
実在のジュリーとは別人としての、
物語の中の人物を造形することができ、
それでできたのが、この、
「ウィンクでさよなら」のダメ男かなと思います。

実際のジュリーは浮気なんかしないだろうし、
もし仮に万が一浮気したとしても、
浮気相手のコンパクトを見つかるなんて
ドジな真似もしないだろうけど、
でも、そんなダメ男をジュリーが演じたら
おもしろいんじゃない?ってなことで、
この主人公を作り上げているんではないでしょうか。
だから「それが誠実とか、んなわけねーだろ!」と
大ツッコミしたくなるようなことも言わせちゃうし、
上で書いたように、超ムカつく、
こっちを舐めた態度を取らせることもできる。

そして相手の女性のキャラも、
これまでの、ひたすら耐え忍ぶ、
理不尽な状況にも逆らわない、
みたいな感じじゃなくなっているようです。
浮気がバレて、もしくは、ときめきが色あせて、
「あなた」にさよならを言われるんじゃないかと、
この主人公の男は怯えて(?)いるわけで、
「あなた」は男の浮気や理不尽な状況に
ただ耐え忍ぶだけじゃなく、
愛想を尽かして別れるという選択肢もある。
そこが、これまでのシングル曲に登場した
「あなた」=女よりも、新しい気がします。

まあ、ZUZUさんの歌詞の場合は、
その恋愛に対する真面目さとか、
なんだか知らないけど恋愛に障害はつきもの、
みたいな、ちょっとレトロな状況が、
ソロデビュー当時のジュリーのイメージに
ぴったり合って、そこがよかったんでしょうけどね。
しかし、そろそろそんなイメージからは脱却ってんで、
堕落した恋愛の「時の過ぎゆくままに」からの、
軽ーい男の「ウィンクでさよなら」ですよ。
ジュリーの年齢とともに、
時代も変わってきてたってことなのかもしれません。

あとやっぱりこれは、
ZUZUさんとユーミンの世代や年齢の違いも
あるのかなあと思います。
ZUZUさんは1939年生まれ。
ユーミンは1954年生まれ。
ZUZUさんがジュリーの曲の歌詞を書いていたのは、
主に1971年ごろから74年にかけてだから、
年齢にして32〜35歳。
ユーミンが「ウィンクでさよなら」の歌詞を書いたのは、
22歳のとき。(若っ)

ZUZUさんはその世代の女性にしては、
ぶっ飛んだ経歴の持ち主ですが、
やはり戦前からの価値観をどこかに持っていたのか、
それとも、世間一般の女性観というものはこうでしょ?
という知識として持っていたものがこうだったのか、
どうしても、女性は受け身で
状況(親や世間ですね)に逆らわないもの、
そして、男に愛されてなんぼ(これは今も変わらないか…)。
自分を愛してくれている男に
愛想を尽かすなんていう選択肢は持ち合わせていない。
しかもジュリーよりも年上ということで、
年上女性の悲哀(!)みたいものも多め。
そのへんの時代的なあれこれと、
なんでそれがウケたのかってことは、
「不倫三部作」のところで長々と語りましたので、
詳しくはそちらを読んでみていただけると嬉しいです。

一方のユーミンはと言えば、
戦後9年が経ってからの生まれだし、
物心ついたころには東京オリンピックで、
高度経済成長期。
しかも22歳という若さでもって、
素直に「男女はもっと対等に付き合えるんじゃない?」
という感覚を持っていた、というか、
そういう空気の中で育ってきていたんだと思います。
ジュリーのソロ初期のころの、
歌詞の中の男の悩みは、
愛し合っている僕らにはこんな障害があってー、とか、
「あなた」の愛に僕は応えてあげられないんだー
とかだったわけですが、
「ウィンクでさよなら」の男の悩みは、
「あなた」に愛されなくなったらどうしよう〜
なわけですよ。
それに、「あなた」という二人称と、
「クール」という描写もあって、
なんとなーくこの女も年上臭が漂ってますが、
ZUZUさんの歌詞のような
年上女の悲哀みたいなものは感じられません。
逆に年上の余裕で男をうまく操縦してる感じ。
クールに振る舞って
浮気した男の立場を悪くするとか、
最高じゃないですか。

あとね、以下は深読みしすぎかもしれませんが、
男が部屋に浮気相手を誘い込んでたり、
そのあとに見慣れぬコンパクト見つけたりしてるってことは、
このふたりは日常的に
離れている時間があるということですよね。
部屋を行き来してるのか、
一緒に暮らしてるのかはわかりませんが、
ニーナのように「僕」をただ待ってるだけじゃなくて、
自分の足で彼の部屋に行っているか、
もしくは、一緒に暮らしているのだとしたら、
(そんなとこで浮気するってサイテーですが)
男が浮気するような時間を留守にしなきゃならない、
自分ひとりだけの用事があるってことですよね。
ちゃんと自分の意志があって行動していて、
恋愛関係の外でもきちんと生きてる感じがします。

と、まあ、ここまでは、
ユーミン作詞の歌詞内の女性像べた褒めな私ですが、
これは「ウィンクでさよなら」単体で考えた場合です。
この歌詞は、ユーミンの先行曲「ルージュの伝言」
逆アンサーソングっていうか、
男の視点からの話っていうか、
対になるものなんじゃないかと言われているんですが、
それを考えると、
そうそう手放しで褒める気にはなれなくなるんですよ。

「ウィンクでさよなら」は76年5月リリースで、
「ルージュの伝言」は75年2月リリース。
「ルージュの伝言」のほうが1年ちょっと先だったんですね。
私は、「ウィンクでさよなら」のほうは、
ジュリーの曲だということは知っていましたが、
いつごろ歌っていたのかってことは、全然覚えていません。
いつものパターンで、
テレビやラジオからなんとなく耳に入ってはいたものの、
「聴こう」と思って聴いてはいなかったということですね。
(アフロジュリーのことも知らなかったし…)
でも、「ルージュの伝言」のほうは、
結構はっきりと覚えています。
75年といえば、私は13歳。中学1年か2年。
もしかしたら、ちゃんと聴いたのは
リリース当初ではなくて何年かあとかもしれませんが、
たぶん中学か高校のころには聴いていたと思います。
だって、この曲を聴くと今でも、
実家の自分の部屋を思い出すし、
なにより、この歌詞に衝撃を受けたことを
鮮明に覚えていて、
これに衝撃を受けるっていうことは、
やっぱり世間知らずの子供のころに
聴いたからじゃないかと思うんですよ。

これのなにが衝撃だったかって、
彼氏が浮気したからって、
その彼のママに泣きつくところですよっ!
当時の一般的な日本家庭の中から
一歩も出ないところで育ち暮らしている子供にしてみれば、
恋愛関係に親を介入させるなんてことは
まずありえなかったし(今はそうでもないのか?)
しかもそれが「あの人のママ」。
やはり日本的な常識から考えれば、
彼のママってことは「姑」。
日本では古来(?)嫁と姑は仲が悪いもの。
その姑に「あの人が浮気してるのよー」なんていう、
いわば言い付け口をするなんて考えられん。
ヘタしたら嫁のほうが悪者にされかねない。
ましてや、そのママが彼のことを叱ってくれるなんて、
まったく期待できない。
それなのにこの曲の中では
「明日の朝 ママから電話で
 叱ってもらうわ マイ・ダーリン」
とか、明るく歌ってんですよっ!
ありえねえっっ!!
なんかこれは私の知らない文化圏でのお話だ。
「ママ」とか言ってるし、
きっと外国の恋人達のお話に違いない。
そういえば、アメリカのホームドラマとかで、
嫁と旦那の母親(姑)が
ファーストネームで呼び合ったりして
仲良くしてるシーンを見たことがあるかもしれない。
そうだそれだ。
これはアメリカ~ンなおしゃれな家族関係の人達の
お話なんだ!
おっしゃれーー!
…………
とか思ってたような気がする。
ええ、世間狭いですね。子供ですから。

嫁姑が仲良くするのが衝撃ってより、
子供だった私は、大人の女同士が仲良くする、
連帯することがあるということを知らなかったんです。
ロールモデルが身近にいませんし、
大人の女は、いい男を手に入れるために競い合う、
もしくは嫁姑のように、
それぞれの立場を守るために反目し合う、
小説でもテレビドラマでも、
そんなお話ばっかりだったんですよ。
大人の女友達のドラマとかが流行るのは
80年代以降じゃないですかね。

そんなわけで、子供のころは
おっしゃれー!
と大好きだったこの曲ですが、
(まあ、今でも好きですが)
大人になって汚れっちまった心で、
あらためてこの歌詞をじっくり見てるってーと…、
どうももや〜っとするものがあります。
それはやっぱ、恋愛話に親がからんでくるところ。
だいたいラブソングに親が登場するのって、
珍しくないですか? ほかになんかありますかね?
結婚してるのか同棲してるのかわかりませんが、
親公認で、しかも親元を離れて暮らしてるってことは、
女も男も大人ってことでしょう。
そんな大人であるはずの彼の浮気を
その親に叱ってもらおうとする、
これまた大人の嫁もしくは彼女って、
どうなんすかねー……。
大人なんだったらまず当人同士で話し合えよ。
っていうか、当人同士で解決しろよ。
って思うんですが、
実はもうさんざん話し合ったけど埒あかねえから、
お義母さん、なんとかしてー!
って感じで列車に飛び乗ったんですかね。
しかし、そんな状態だったら、
「マイ・ダーリン〜」とか
明るく言ってる場合じゃないんじゃないですかね。
いい弁護士知ってますよ紹介しましょうか?
てな案件じゃないすか?
あとさー、
「浮気な恋を諦めないかぎり」って言ってますが、
諦めたら許してあげてうちに帰るんですか?
一回ぐらいの浮気なんだから許してあげなさいよ、
とか、そういう話?
ってのは、子供のころもよくわからないなりに、
もんにゃりしてました。
恋ってそういうもの?

しかしまあ、これはそんな重たい話じゃなくて、
私が子供のころに素直に
「こんな家族関係っておしゃれ!」
と思ったのが、正しい受け取り方なんだと思います。
だって、この曲作ったユーミンは21歳。
作ったのはもっと前かもしれないから20歳そこそこ。
既婚者が浮気したら慰謝料がー、とか、
嫁姑の思惑の違いで家庭内がビミョウな雰囲気にー、とか、
そんなことはまだ目に入らないお年ごろじゃないですか。
むしろ恋愛や結婚に夢を見ていてもおかしくない。
ちょっとしたオイタ(?)をした彼(息子)を、
現代的な仲良しファミリーの中の、
意外な女ふたりが手を組んでお灸をすえる、
こんな結婚生活、家庭っていいじゃん!
っていう、そんなお話なんじゃないですかね。
確かに、嫁と姑がこんなふうに仲良くやれたら、
家庭も楽しく平和かもなーと思えないこともない。
だから、「ルージュの伝言」も、これ単体で聴けば、
私はそんなに嫌でもないです。
浮気した男ざまあ、
母ちゃんにがっつり叱られろ、
と、黒笑い浮かべながら聴くこともできますし。

しかーし!
これが「ウィンクでさよなら」と対になった曲だとすると、
さっき、べた褒めに褒めた
「ウィンク」内の女性像の魅力が半減するんですよ。
上で書いたように「ウィンク」の「あなた」は、
年上女っぽい余裕でもって、彼の浮気が発覚して、
腹ん中は煮えくり返ってたかもしれませんが、
表面上は泣きも喚きもせずにクールに決めて、
彼をビビらせてます。かっこいい。
このあとの彼女の行動は、
いくら男が「やっぱりあなたのほかにない」とか
媚び売ってこようが「I love you」だろうが、
関係を続けるか別れるかは半々の確率のように思えます。
さらに年上の余裕を発動して、
「ほんと、しょうがないわね」とモトサヤに収まるか、
黙って出ていき、
男は浮気相手に熨斗つけてさし上げるか…。
もっとも向こうも受け取るかどうかはわかりませんが。
どっちの道を選ぶかは「あなた」の自由。
そこがかっこいいと思えるんですが、

が!

「ルージュの伝言」がこれのアンサーソングだとすると、
彼の浮気を知った「あなた」は、
なんて書いたかは知りませんが、
バスルームにルージュで伝言するという
ひっじょう〜に女っぽいことをやらかし、
そうして、彼のママの元へと走ってるんですよ。
えええーーー。
上で書いたように、彼のママと仲良しだからこその、
この行動なんでしょうが、
自分のママじゃなくて、
彼のママのところという時点で、
別れる気はゼロですよね。
フィフティ・フィフティだったのが、ゼロ。
がっかりだ!
大人な女だと思ってたのに、
自分たちふたりの問題を親に託すとか、
自分で考えて解決することを放棄している。
子供か!
だいたい、彼のママが彼の浮気を知ったからって、
「あんな男(自分の息子)とは別れなさい」
とか言うはずもなく
(そんなん言うママだったら素敵にパンクだけど)
せいぜい「叱って」くれるだけだし、
彼にしたって、赤ん坊のころからの付き合いのママに
叱られたってたかが知れてんだから、
それで彼女が帰ってきてくれて元通りなら、
喜んで叱られましょうってなもんじゃないすかね?

「ルージュの伝言」のほうから見ても、
そっちでは「浮気な恋」とか、
かわいい言い回しなせいで、
他の女の子にぽ〜っとなってる程度のことで、
そのぐらいだったら、
ママに頼る 「子供」な行動も
しょうがないかなと思ってもいたのに、
「ウィンクでさよなら」の状況だったとすると、
部屋に連れ込んでキッスですよっ!
さらにベッドにコンパクトとか、
その先のコトまでヤッちまってるに決まってる…
という、ナマナマしい話になって、
ママに泣きつくよりも弁護士案件じゃあ!
となっちゃうわけです。
せっかくの楽しい雰囲気もぶちこわし。

なので、私としては、
この2曲は、対にして聴くよりも、
別々のものとして聴いたほうが
精神衛生上いいみたいです。

とは言っても、アンサーソングってのは、
謎解きのような楽しさがあって、いいもんですよね。
歌っていうのは、基本的に1曲1曲別々の世界だと
みんな了解しているものなので、
それが、実は同じ世界観なんだよとわかるだけでも、
意外性があって、なんか嬉しい気持ちになります。
「勝手にしやがれ」に、
「プレイバック・パート2」とかね。
百恵ちゃんかっこいいし。
あ、でも、これも女は結局帰る話になってんのか。
うぎー。
女は結局男を許すもの、
みたいな女性観が
滲み出ちゃってるってことでしょうか。

「ウィンクでさよなら」は、
ジュリーのシングル曲の中で初めて、
自立した、男に都合がいいだけじゃない女が出てきたよ、
と喜んだのもつかの間、
「ルージュの伝言」との合わせ技で、
思わぬ古い、というか幼い女性像が炙り出されちまいましたが、
加瀬さん作曲のこの曲は本当にご機嫌で、
「I love you」「I need you」と
跪くジュリーは本当に本当にかわいいですから、
こんなめんどくさいことをぐだぐだ考えずに、
ジュリーの振りまく「love」を
キャーキャー言いながらただ受け取るってのが、
正しい聴き方だろうなとは思います。

ちなみに、去年のツアーコンサートでも、
加瀬さん作曲ですから、
この曲ももちろんセットリストに入っていて、
ジュリーはステージを右に左に駆けまわりつつ、
律儀に客席全部に向かって跪き、
「I love you」「I need you」
と愛を注いでいらっしゃいました。
それを目の当たりにしたときは、
今でもそれ、ちゃんとやるんだ!?
とちょっと驚いた私でしたが、
見た目はすっかり〝王様〟な今ジュリーでも、
この曲を歌うときは、
ちゃーんと〝王子様〟になるんだなあと、
驚きつつ感心しつつ、
しっかりキャーキャー言ってきたのでした。


と、まとまってんだかなんだかよくわかりませんが、
表の解釈はここまで。
以下はお待ちかね(?)裏解釈です。




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