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そもそものことの起こりは、田舎にいる私の父が
折に触れて書き溜めていた雑文を、自費出版で本にしたことから始まる……

1990年、最初の一冊「余白を埋めたまで」を300部印刷し、
長年勤めた高校教員を退職する際に、
挨拶代わりに知り合いにただで配った。
それが、お世辞8割だと思うが、
「おもしろかった」「もっと書かないのか」と、周りに乗せられ、
隠居して暇だったせいもあって、また書いた。

それが1992年の二冊目、「ふる里つるおか飲み屋ばなし」。
これは1000円の値段をつけ、地元の本屋や、
作中に登場させた飲み屋などに置いてもらって、売ることにした。
なにせ長いこと教員なんて職業をやっていると、
地元に父の名前を知っている人だけは教え子の数だけいる勘定で、
付き合いもあってか、印刷した500部は2年ほどで完売。

…で、またまた気をよくした父は、
1995年に、第三冊目「ふる里つるおか味ばなし」を500部作った。
値上げして1300円。
また、地元の本屋に置いてもらったところ、
これがなんの間違いか、そこそこ評判になってしまった。
よせばいいのに、本屋では「今週のベストセラー第一位」とかの
手書きポップまで作ってくれちゃうところもあったりして、
2回増刷をかけ、合計1000部を完売した。

その評判を聞きつけた地元市の広報と山形新聞社が、
連載コラムを依頼してきて、まるで作家先生のような扱いを受けることに。
それで完全に勘違いをした父は、その連載でたまった原稿と、
またしても暇にあかせて書き溜めたものをまとめて、
2003年に、四冊目「飲んだくれてふる里」を出版した。

前作の「ふる里つるおか味ばなし」が、
最終的には1000部完売したことから、
「途中で増刷するより最初から印刷したほうが安上がりですよ」との
印刷屋さんの口車に乗って、いきなり1000部印刷……
500部は、固定客のおかげか最初の1年で順調に売れて行ったが、
それ以降はぱったりと売れ行きが伸びなくなった。

ここから、娘であり、東京で出版業界の最下部で仕事をしている私の、
苦難の道が始まるのである。


つづく
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コメント
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2006/04/19(Wed) 11:28 |   |  #[ 編集]
bcf1パウです
こんちわ。
編プロから東販日販の口座つくって出てくる人たちも最近いるんです。取次ぎ・書店・出版社に影響力あって口利いてくれる会社もあるんですよ~

報奨金とかのノウハウも教えてくれるし。。

これからいい本いっぱいだして、
儲けてくださいネ

かげながら応援してまっす。
2007/04/13(Fri) 12:30 | URL  | bcf1パウです #sSHoJftA[ 編集]
ありがとうございます
がんばりまっす。
儲かるかどうかはわかりませんが……
いや、儲かりたいのはやまやまなんですけどね。なかなかね。
2007/04/13(Fri) 15:58 | URL  | 「稀人舎」ゆう #Enj21zdQ[ 編集]
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2007/09/14(Fri) 12:53:16 |  夢に挑戦