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「ただでさえ、売れない本なのに!」

見ず知らずの人の、こんな言葉にムッともしたのだが、

(あ、ちなみにこの言葉は後に、これを書いたご本人が
 「数が売れない本なのに!」と訂正されてましたが、
 同じことだよなあ)


それよりも、違う部分でちょい深く考えさせられた。

このコメントをつけてくれた人は、
おそらく、山形でなにか出版社を経営しているか、
出版取次の仕事をしているか、その周辺にいるか、
といった立場の人だと思うのだが、

なんというか、この、出版流通業界にいる人の
かたくなさは、いったいどうしたものだろう。

訪れる人の少ない私のブログに数少ないコメントをつけてくれた中の
たった一人の、この人を基準に考えてはいけないのかもしれないが、
しかし、

「ああ、これが、出版流通の現状なんだな…」
と思わせるものがあった。

今の出版の状況では、取次を通さないということは考えられないのだ。

たしかに、書店で現物の本を手に取ったうえで買うのと、
ネット上で表紙の画像と数行の紹介文を読んだだけで買うのとでは、
前者のほうが圧倒的に有利だ。

しかも、ネット書店でさえ、大きなところは
取次を通さなければ、本を売ってくれない。

私も、山形の地元取次に頼み込むことは、
この時点でも、まだ考えの片隅にありはしたが、
大きな取次会社と契約して、全国の書店やAmazonで売ってもらうことは
完全にあきらめていた。

その代わり、ネット上でなにか新しいやり方はできないものか
と考えていたのだ。

そのための「味ばなし」の軽装版だ。

しかし、取次を通すことを大前提で考えている人にしてみれば、
そんな私の考えていることは、まったくばかばかしい、
頭の足りない子供のすることとしか思えないのだ。

だからこその「そんな安い本を作っても取次は扱ってくれない」
というコメントなのだろう。

たしかに取次を通そうとしたら、そのとおりだし、
コメントを読む限り、私の思惑は、

「新書って、安くていっぱい出てるじゃ~ん?
 あんな風にして出したら売れるんじゃないの~?」


というど素人のお気楽なアホ話と受け取られているようだ。

しかし、あいにくと私は出版流通に関しては素人かもしれないが、
出版制作ではプロなんである。

この道20年なんである。(長っ)

本がどれくらいで印刷・製本できるか、手間がどれくらいかくらいは
先刻ご承知だ。ふーーん。

「新書版で」と書いたのも、
「新書くらいの版型で」の意味だ。
各大手出版社から出ている新書というのが、
シリーズもので、だからこそ売れているということ、
かつて単行本で出したものを新書のシリーズに組み入れることで、
値段を下げ、部数を多く刷ってランニングコストを下げていること、
そのくらいのことは分かってる。

でも、コメントをつけた人は、
それらの私が分かっていることには耳を貸してくれない。
それはなぜかというと、「取次」という大前提から
頭が離れないからではないだろうか。

以前に私が失礼な電話をかけた「地方・小出版」のHPの掲示板でも、

「本を市場に流通させる手段が分かりません。
 どのような手順を踏むのでしょうか?
 また、なにか届け出が必要なのでしょうか?」

という質問をしてきた自費出版をしたい人に、掲示板の管理人は

「今の書店では個人の自費出版物はほとんど扱ってくれません。
 一般的な取次店(トーハン、日販など)は、
 なおさらハードルが高くまず無理です。」


と突き放した答えしかしていない。

私が、今回本を売るにあたってさまざまな知識を得た
「38万円で本ができた」という本でも、

「本を売るのは、取次口座を持つ出版社に頼みましょう」

としか書いていない。



書店や取次で扱ってくれないなら、他の方法はないのか。
そんなことは考えることもばかばかしい、
といった雰囲気みたいなのだ。

従来とは違う方法で本を売ることを考えてはいかんのか、
模索してはいかんのか。

…………

そうなんだろうなあ。多分。

今までのやり方で、取次に頭を下げ、書店に営業をかけ、
私がやろうと思わない、いろんな苦労をして
本を作り、売ってきた人たちにしてみれば、

「本を売るなら、俺らと同じ苦労をしろよ、お前もよ。」

と、こういう気持ちなんではないのだろうか。
イヤな言い方をすれば、だけどさ。

まあ、どこの業界にもこういうことは多かれ少なかれあるんだろうと思う。
ライブドアや楽天の社長が苦労してるようにね。<一緒にするな

前から再三言っているように、私は天邪鬼である。
ダメだと言われると、やってみたくなる。
ここへきて、地方の取次に話を持っていくことも
きっぱりあきらめた。

「稀人舎」は取次を通さない方法で、なんとかやってやる!
と、こぶしを握り締める10月の私であった。

で、できるのか、ほんとに。どうやって!?
五里霧中。


つづく
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