なんか、絵本のタイトルのようなエントリタイトルですが、
「太陽」は「太陽を盗んだ男
「悪魔」は「悪魔のようなあいつ」のことです。
「『萌え』談義」カテゴリですからね。


池袋の新文芸坐でやった
青春の殺人者」「太陽を盗んだ男」二本立て、
&ゴジ(長谷川和彦)監督トークショーを観てきました。
超満員でしたよ。
トークショーの時は、通路にも人がいっぱい。
なのに、監督が登場する前なんか、会場全体が無言。
何百人いたのかわからないけど、
ぎっしり人が入っているのに、誰もしゃべらず、
シーンとして、みんなただただゴジ監督の登場を待ってる。
ちょっと異様な雰囲気でした。
登場したゴジ監督は、
非常にフレンドリーに饒舌にしゃべりまくり、
1時間弱があっという間でした。
もっといろいろ聞きたかったよ。

ゴジ監督、かっこよかったですよ。
私は、ゴジ監督のお姿は
「夢二」の殺人鬼役と、
「悪魔のようなあいつ」DVDの特典映像でしか
知らないんですが、
「悪魔」DVDが2001年?
もう8年も経ってるわけですが、
ほとんど変わりなく見えました。
相変わらずサングラスでした。
声も喋り方もあのまんま。

お話の内容は、昔話から始まって、
時間が足りなくなって、途中はしょって、
これから新作も撮りたいと思っているという
決意表明で締めでした。
映画を撮っている間は
「異常者」になってしまうから、友達をなくす。
だから、貴重な友達をなくしてもいいと思える
企画や脚本がないとやる気になれない、とも。
ああ、この人は、「映画監督」という仕事を
職業とは考えていないんだなあと思いました。
そういうことなら30年間なにも撮らないできたのも納得。
でも、新作期待してます。
でも、友達はなくさない方向で、なんとか。
ああ、でもでも、それだとおもしろいものができないのか……
表現者というのは難しいものだね。

その後、ロビーに出てみたら、
ゴジ監督が座ってて、
その前には人々が列をなして、
一緒に写真を撮ってたり、サインしてもらったり、
なんかお話ししたりしてて、
私も思わず並びそうになったんですが、
しかーし!
私がゴジ監督と写メ撮ってどうするのさ?
握手して「頑張ってください」?
なんか違う……
今頑張らなきゃいけないのは私の方だいろいろと。
「応援してます」?
私なんかに応援されてもなあ。
資金でも出せればいいんでしょうが、そんな金はないし……
仕事として絡めるわけでもないしなあ……
なんぞとぐるんぐるん考えちゃって、
結局長蛇の列を横目に
そのまま帰りのエレベーターに乗っちゃいました。
そんな難しく考えないで、
普通に握手でもしてもらえばよかったのかもしれないけどさ。
そういう、ファン行動ってのに慣れてないんだよー。
てか、そういうことをやったことないんだよー。
きっと後で後悔することであろうけど、まあいいや。

「青春の殺人者」は、初めて観ました。
水谷豊、美しい! 原田美枝子、かわいい!
話の内容から、もっと暗くておどろおどろしい映画かと
思ってたけど、まあ、おどろおどろな場面もあるんだけど、
全体になんとも軽いノリで、やっぱりゴジ監督だなあって感じ。

「太陽を盗んだ男」は、
今年の春に横浜の映画館で観たのに続き、二回目。
同じジュリーが主演てことで、
どうしても比べてしまうんだけど、
横浜で観た時は、「悪魔のようなあいつ」は
まだ観てなかったんだよね。
で、今回、「悪魔」を観た後に
改めて観た「太陽」の感想はといえば……

以下ネタバレありです。

ネタバレオッケーの方は、
ずずずい~っと下の方から、どうぞ。








































以前に熱くウザく長く語り倒した
「「悪魔のようなあいつ」最終回」というエントリでも
「悪魔」と「太陽」のことは対比させていて、
(がっつりネタバレ注意)
「悪魔」は子供対大人の子供が勝った話で、
「太陽」は大人が勝った話だよね、と書いたんですが、
今回は、

「太陽」は、生き残ってしまった良ちゃんなんですね!

と、思いました。

「太陽」のカーチェイスですが、
あれは、あの映画中で最高に楽しいシーンで、
城戸先生も楽しそうな笑顔で、
観てるこっちも楽しい。ホッとする。
それまでが、なにかと苦しそうな顔が多いしさ。
あれは、「悪魔」でいえば、
最終回の銃撃戦なんじゃないですか?
いわば「お祭」の最高潮。
そこを主人公が生き残ってしまい、
しかも、敵が消滅してしまった世界に
ひとり取り残されたところまでを描いたのが
「太陽を盗んだ男」だったんじゃないですかね。

さらに、良ちゃんの相棒である野々村さんは、
「心中だな、良……」なんつって、
良ちゃんも「死ぬ」ことを前提に先に死んでいったけど、
城戸先生の相棒であるゼロは、
「生きて」と言い残してひとりで死んでしまう。
城戸先生はひとりで生きていかなきゃいけない。
ううーん、なんと対照的。

どっちが幸せかっつったら、
やっぱりお祭のまま物語を終わらせることのできた
良ちゃんだよなあ。

城戸先生は、アレだね、
カーチェイスの後、もう山下警部に連絡をせず、
あの楽しかったカーチェイスの思い出を胸に、
もう黙って、原爆抱いて生きていけばよかったんだよ。
被爆してて長くはなかったろうしさ。
ま、そんなことができりゃあ、
そもそも原爆なんか作らなかったろうけどね。

とすると、「太陽」は「悪魔」への
アンサーストーリーとも言えるのか。
というより、後日談?
「悪魔」の良ちゃんが生きてたら、
あの後どうなったか?
野々村さんも白戸警部も死んで、
三億円を手に、完全に自由になったら、
良ちゃんも、城戸先生みたいに泣いただろうか。

そういえば、良ちゃんが泣くシーンてあったっけ?
あ、病気のことがわかったときに電車の中で泣いてたか。
とすると、「悪魔」では物語の冒頭で、すでに泣いてんだね。
あれは、その状態から突っ走る話だったということか。
「太陽」では、最初は泣くでも笑うでもなく生きてる城戸先生が、
最後に泣く話なんだよね。
良ちゃんは最後には笑ってるもんな。

ゴジ監督は昨日のトークショーの中で、
自分の作りたいものは、
「毒×痛快(一回だけ涙)」
って言ってたんですよ。
ああそうか。
だからゴジ監督は「太陽」を作ったんかな。
「悪魔」で最後に泣かなかった良ちゃんを
泣かせたかった、とか?

良ちゃんを泣かせずに美しい笑顔のままで
終わりにした久世光彦さんの美学は、
ひとつの世界ではあるけれど、
ゴジ監督は、もうちょっと現実的に、
「でも、オレらは生きていかなきゃいけないしな」
ってとこで、

一回だけ涙

なんじゃないかなあ……
とすると、生きていくのは「涙」なのかそうなのか?

ま、そりゃそうだな。
最後は絶望?
でも、
「太陽を盗んだ男」も「青春の殺人者」も、
脚本を書いた「悪魔のようなあいつ」も「青春の蹉跌」も、
話の結末としては「絶望」なんだけど、
なんか、全体の印象は「絶望」じゃないのが、
ゴジ監督風味ってことなんだろうなあ。

「悪魔」DVDの特典映像内で言っていた
「自分だけのわがままな夢を持つ、
 それこそロマンを持とうとするってのは、
 気分のいいことだぜってことが伝われば。」

っていうメッセージの方がメインてことだよね。

ゴジ監督には、
今の時代にこそ、
こんなメッセージを込めた新作を
作ってほしいものだなあと思います。

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コメント
この記事へのコメント
水谷豊、に反応♪
「青春の殺人者」
昔、水谷豊ファンの友人に誘われて、試写会で観たと思う。雪山の中を逃亡するシーンがあったような…。今までの彼の役柄にはない暗~い感じだったよね。
(私は、NHK警備員時代の彼がやっぱり好きだ)
2009/12/18(Fri) 11:29 | URL  | chii #-[ 編集]
雪山はなかったなあ……
雪山を逃亡するのは、ショーケンの「青春の蹉跌」じゃないでしょうかー
そっちも「逃亡」とはちょっと違うんだけど、桃井かおりとショーケンが雪山を歩き回るシーンがありました。そのシーンがまたいいんですけどね。
「青春の殺人者」は、夏の話なんですよ。海水浴場が出てきたりします。
しかしまあ、確かに「青春の殺人者」は暗い役柄ですね。水谷豊、全然笑わないんだもん。台詞もちょっと不気味な棒読みで、それがまたなんというか緊迫感を出しててよかったですよ。
「NHK警備員時代」っていうのは、私は知らないです……ドラマ?
2009/12/18(Fri) 12:49 | URL  | 管理人 #Enj21zdQ[ 編集]
先日、レンタルで初めて「太陽~」を見ました。映画として面白かったし、僕は「悪魔~」よりリアルなジュリーが出ていたから、こちらの方が好きだなぁ~なんて思いました。リズムとテンポがいいし、笑えるけど深い、恐ろしいのに理解できる何かがある。台詞は少ない分ジュリーの表情でいけてしまう凄さに圧倒されました。
文太さん、刑事役の方がヤクザより合っているのじゃないか?と思うくらい適役でしたし、なんだろう・・ジュリーとの対峙に妙な甘さ・・というか男同士ですが、がむしゃらな感じが何かなまめかしい・・というか腐った目線だからかな?
涙の場面は、僕は虚無の衝撃だと思いました。あれほど激しい情熱とパワーを費やしたのはなんだったのか、急に分からなくなった。城戸誠の中に虚無が広がって、感動も何もない死の恐れも感じない・・・という予想もしなかった状態に堕ちてしまった。
いろいろ想像しました。
いい映画の楽しいところです。
何度見ても飽きないし。
ゴジ監督のトークショー行きたかったなーーーー。
ご報告ありがとうございます!
主様、こちらからアプローチしてコメントが遅くて申し訳ございません。こんな者ですが何卒よろしくお願い申しあげます!
2010/01/08(Fri) 20:23 | URL  | なつお #-[ 編集]
なつおさま、こんにちは
おお、「太陽」ご覧になったのですね。
これはもう、「腐った目線」で「ジュリー×文太さん」の物語としてみるのが、ジュリー萌えとしては正しい鑑賞の仕方だと思います!(力説)
ホント、この映画はリアルなジュリーが出てるようです。ゴジ監督は普段「美しい」といわれているジュリーをいかに「汚く」撮るかってのに力を注いでいるような気がします。
でも、やっぱりときどき「美しいジュリー」が出ちゃってるんですよね(笑)

こちらの更新自体がゆっくりペースなので、コメントものんびりと気が向いたときにどうぞー
2010/01/09(Sat) 17:34 | URL  | 管理人 #Enj21zdQ[ 編集]
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