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「ジュリーのシングル曲で昭和女性史」を考えてみよう、

という無謀なことをやっております。
どこまで続くかわかりませんが、
途切れ途切れにでもやっていこうかと思います。
カテゴリは【ジュリーシングル曲で昭和女性史】
できれば、最初から順番に読んでいただけると嬉しいです。




「危険なふたり」その1からの続きです。

そんなこんなで、ZUZUさんの妄想だったのかどうかは
もはやわかりませんが、
登場人物の台詞や、「あなた」のほうが年上という、
ふたりの年齢の関係までもが入った、
はっきりした物語を提示しているのが、
この「危険なふたり」です。

いきなりの台詞から始まる「あなた」ですが、
それまではなかった「あなた」の描写も、
「危険なふたり」には入っています。
それも、「美し過ぎる」「きれいな顔」。
えーー! そうなんだ!
っていうより、「そうだよね!」ですかね。
あのジュリーが「許されない愛」なのに、
「あなただけでいい」「死んでもいい」とか言って
愛してる「あなた」なんだから、
美しくないわけはないです。
ないわけはないんですが、
そこはぼかしてあったおかげで、
聴いてるこっちは「あなた」=自分
と妄想することもできたわけですよ。
はっきりと「美し過ぎる」って言われちゃったら、
どうしたらいいのさー、って感じじゃないですかね?
しかも「年上」って限定されてるし。
年下のファンはアウトオブ眼中ですか?

でも、「危険なふたり」は、その限定された点が、
いいところだったんだと思います。

不倫三部作のところで引き合いに出した「天の夕顔」ですが、
【稀人舎通信8号】の座談会で金井さんが、
これに出てくる人妻を「絶世の美女」と言ったところ、
「そんなことどこにも書いてない!」と、
私たちに総ツッコミをされてます。
「天の夕顔」発表当時の昭和初期の読者には、
こういう恋愛小説に出てくる人妻は「美女である」
というお約束を共有できていたんだそうです。
今ではそのお約束は全然共有できず、
なんで主人公の青年がこの人妻に恋をするのか
さっぱりわからなくなっていて、
ポカーンて感じになってしまっているわけですが、
1973年当時も、すでにその傾向はあったんじゃないでしょうか。
少年が「許されない愛」とわかっていながら、
一目惚れし深みにハマるのは、
その相手の女が美しい人だったから、
という暗黙の了解がわかりにくくなって、
聴き手の思い込みや妄想だけに委ねるということが
難しくなってきたのかもしれません。
それに、ジュリーも25歳になり、
「許されない愛」のコンセプト・アルバムでの、
傷ついた少年っていう設定をひっぱるのも、
そろそろ無理があります。
そこで、
「あなた」は「美し過ぎる」「年上の女(ひと)」
「僕」はその「あなた」の
「大人の振り」をした嘘をちゃんと見抜いていて、
「まだ愛してる」と言っている……、
というはっきりとした設定や台詞を提示し、
そういう「物語」として作られたのが「危険なふたり」です。

「あなた」を「美し過ぎる」「年上」と限定してしまうことで、
ジュリーに乙女萌えという点では、
聴き手が自分を投影することは難しくなりますが、
少女漫画や恋愛小説ではまだ、そういうお話を、
お話として、女の子たちはみんな楽しんでいました。
一条ゆかりの「砂の城」は1977年からの連載ですから、
ちょっと後ですが、世界観は同じです。
70年代後半でも、恋愛物語としてだったら、
こういう世界も受け入れられていました。
ていうか、1997年にドラマになってましたよね?
年上の人妻ものでは「雨あがり」ってのもありました。
人妻っていうか、義母と高校生の息子ですけどね。
まさに「許されない愛」ですよ!
「雨あがり」は1971年の作品。
この主人公の男の子のビジュアルはまんまジュリーですよ。
今でもベタな昼メロとかのドラマだったら、
こういう世界もありそうです。

「あなたへの愛」まで4曲は、
山上路夫さんとZUZUさんが交互に作詞してきて、
ここからはZUZUさんの続投になり、
このあと「追憶」まで、
「あなたへの愛」も含めると6曲が、
ZUZUさん作詞で続くわけですが、
この「危険なふたり」以降は、
「ジュリー」というコンテンツを使った、
ある作り込まれた物語を提供するものになっていきます。
それぞれに具体的な物や情景描写を歌詞に入れ込み、
聴き手はまるでひとつひとう違う少女漫画を読むように、
その物語を楽しむことができます。
それまでもジュリーは、
叶わない恋に苦しむ「僕」を演じてはいましたが、
曲は違っても登場する「僕」は、
ジュリー自身を想定したいつも同じ「僕」であり、
聴き手の思い込みにまかせて物語自体を妄想させて、
乙女萌えさせることを狙っていました。
それが、「危険なふたり」からは、
曲ごとに違う物語になっていて、
その物語の世界に憧れさせるようになっています。
ジュリーはその中の「僕」を演じる役者のようなものです。
どの曲の中の「僕」も、ジュリーであってジュリーでない、
という、ジュリーのスタイルがここで確立されたわけですね。
「危険なふたり」からは、
衣装に早川タケジさんが起用され、
ビジュアル面からも、より作り込まれた「ジュリー」を
聴き手に提供することができたことも、
そんなスタイルに大きく貢献したのだと思います。

そういえば、シングル曲のジャケットも、
「あなたへの愛」までは、
そんなに作り込んでいるようには思えないんですが、
当時はジャケ写ってあんまり重要視されてなかったんでしょうか。
「君をのせて」は、おそらくPYGのステージ写真だし、
他はどれも背景がないせいで、
どういうシチュエーションだかわかりません。
「あなだけでいい」はどうして薔薇をくわえてんですか?
「あなたへの愛」に至っては、
「死んでもいい」の写真から作ったイラストですよね。
(手抜き? 小声)
それが、「危険なふたり」では、
ちゃんとジャケット用に撮影されたらしい写真になってます。
どこかのハウススタジオみたいなとこの窓辺に
ジュリーが座っていて、
「危険なふたり」のワンシーンかなーという雰囲気。
ぼやーっとした表情のジュリー、かわいいですよねー。
このジャケットのデザインもタケジさんなんでしょうか。
これ以降のジャケットもだいたいそうですが、
写真もデザインも、曲の内容を踏まえての、
トータルなイメージを意識して作り込まれていると思います。


と、今回は、「危険なふたり」の中の
「あなた」の女性像についてというよりは、
ほとんど曲自体の解説になってしまいました。
だって、「あなた」の基本的なところは今までと同じですから。
ただ、ZUZUさんがおそらく自分を想定して書いたせいか、
この「あなた」はそれまでの男に都合のいいだけの女では
ないように感じられます。
「今日まで二人は恋という名の旅をしていた」
なーんて台詞も素敵だし、
「恋に疲れたうつろな瞳」とかさー。
明るい曲調も含め、全体がおしゃれな雰囲気のせいか、
それまでのじっとりした
「ザ・女」を連想させる「あなた」ではなく、
自立した大人な女性ってイメージが湧いて、
子供の私は、それこそ一条ゆかりの漫画を読んで、
「は〜、大人の恋ってこんななのね」と
ぽわ〜んとなったのと同じように、
今でも「危険なふたり」にぽわわ〜〜んとなるんですよね。

しかし、このサビの最後「それでも愛しているのに」の、
「それでも」ってのはなにに対して
「それでも」なのかって言ったら、
「年上のひと」だからなんですよね。
はー、ここでもやっぱり「年上」が障害になってるようです。
なんで?
やっぱ、当時は女は男に支配されるべき存在とされていて、
年上だとそれが難しいからってことですかね。うぎー。
それは今でもマッチョな男どもの考えそうなことだけど、
でも、それだけじゃなくて、
70年代ぐらいまでは、女が年上だと、
どうも不道徳っぽいイメージがあるように感じるんですが、
なんでですかね?
人妻で不倫だったりしたら不道徳ってのもわかるんですが、
年上ってだけでもそんなイメージがつきまとうって、
どういうことなんでしょうか。
わかりません。
なんかわかったらそのうち書きます。

ところで、ジュリーは今年のツアーでも、
この「危険なふたり」を歌っていて、
ツアー開始当初は普通に歌ってたと思うんですが、
だんだんと遊び(?)を入れてきて、
8月ごろから「年上のひと美し過ぎる あぁ あぁ」のところを
「年上のひと(?)美し(?)過ぎる」と会場を物色し、
「あぁ↓ あぁ↓」と頭を抱えるという、
失礼千万なパフォーマンスをするようになりました。
これは「じゅりワン」の時もやってましたね。
こないだの9月のコンレポで私は、これを
次のフレーズの「それでも愛しているのに」に繋げて、
美しくなくても、ジュリーはファンを愛してくれてるんだ!
と、おめでたい解釈をしたんですが、
さきごろどこかのライブのMCでジュリー自身が、
「年上の人って言ったらもうかなりのお年だし、
 『美し』が『過ぎた』ってことで…」
とか言ってたらしいです。
ちょ…ちょっと、それは無理矢理過ぎませんか? ジュリー!
と思ったんですが、
でも、ということは、以前は「美し」かったのが今は「過ぎた」と、
で、それでもジュリーは愛してくれてるんだと、
またしても都合よく解釈させていただきました。ほほほ。

私は、この「危険なふたり」に限らず、
今ジュリーが歌う恋歌は、だいたいを
ジュリーがファンのことを想ってくれてる、
と脳内変換できる幸せものです。

全盛期の僕よりも今は年上になってしまったけど、
デビュー以来今までずっと
ファンという名の旅をしてきた美しいファンたちを
今の僕はまだ愛しているよ。
何気なさそうに、僕のファンをやめるなんて、
あなたは言うけど、僕はまだみんなを愛してる。
もうアイドルのファンなんかやっていられないと、
大人の振りをしてあなたは別れるつもり?
おっかけに疲れた虚ろな瞳もまた似合うけど、
いい年してジュリーのファンなんてという世間を
なんであなたは気にするの?
年を取っても美しさが過ぎても、
僕はそれでもみんなを愛してるのに〜〜……

なーんてね(笑)。


ぜえぜえ……、やっと終った、か?
さすが、私のジュリーファーストインプレッション曲。
語っても語っても語り尽くせません。
またなんか思い出したら、
他のところでも語るかもしれません。


で、お次は「裏」解釈ですよ。




さて、序章のところにも書いたんですが、
「危険なふたり」の「あなた」は、
「美し過ぎる」「きれいな顔」と描写されていて、
それを当時の超絶美貌のジュリーが歌うってえと、
美しすぎるのはジュリーでしょうが!
と、私の心は叫び始めます。
というか、「あなたへの愛」までは、
「あなた」=ジュリーという妄想はあんまり湧かないんですが、
「危険なふたり」以降は、かなりの曲の「あなた」が
ジュリーに変換可能です。
「あなた」のキャラを立てようとすると、
なーんかジュリーっぽくなるような気がするんですよ。
特に「僕」に対してつれない態度を取る「あなた」ですね。
それが「美しい」とか形容されていたら、
もうそれはジュリーじゃないですかっ!

「危険なふたり」もそのまんま「あなた」がジュリーってことで、
ジュリーが「僕」から
「まだ愛してる」と迫られる妄想が湧きます。
湧きますよねっ。湧いて!(無理矢理)
んで、当時のジュリーのまわりにいた男たちの中で
年下つったらもう、ショーケンしかいないじゃないですか!
「裏」解釈ではショーケン☓ジュリー妄想が続いてますが、
私のジュリー萌えの原点がそこですのでね、
すみませんが、この組み合わせの妄想がすぐ湧いちゃうんですよ。
ジュリーより年下の男といえば、
のちにエキゾティクスのカズさんが現れて、
今も鉄人バンドとしてジュリーと一緒にいますが、
カズさんにはジュリーはつれない態度は
取らないような気がするんですよね。
なんでかはわかんないですけど。
今でも仲良しだからかなあ。
あ、でもサリーには結構つれなくすることもありそうだ……。
ツンデレ?
ま、なんにしろ妄想ですけどね。
というわけで(?)やっぱ美し過ぎるジュリーに振り回される、
年下の「僕」はショーケンてことでひとつよろしく(笑)。

GSのころからずっと仲良しな俺たちだったのに、
それは恋という名の旅をしていたんだ、
なんて言う美しすぎるおまえ。
もう旅は終わりで日常に戻らなくちゃって言いたいの?
それでも俺はまだおまえを愛してるのに。
何気なさそうに「別れよう」なんておまえは言うけど、
心の底の涙色したPYGのころのふたりの思い出を
無理して消そうとしているのはわかってるよ。
売れなくて苦労したけど、いつも一緒で楽しかった
ふたりの思い出を消すなんて、俺にはできない。
おまえは年上って言ったって2つしか違わないのに、
俺を子供扱いして、大人の振りをしてでも別れるつもり?
きれいな顔には恋に疲れたうつろな瞳が似合うけど、
俺たちふたり、十代のころからずっと一緒だったじゃないか。
今さら大人の振りなんかしてもダメだよ。
俺たちがライバルだとか、男同士だとかって、
世間がうるさく言うのをおまえは言い訳にしてるけど、
俺をまだ好きだって、本当の事を言ってくれよ。
今では別々の道を歩き始めた俺たちだけど、
それでも、俺はまだ愛しているのにい〜〜。


ってなところですかね。
「僕」が「俺」に、「あなた」が「おまえ」なってますが、
ショーケンのキャラってことで。
まあ、でも、実際はジュリーのほうからショーケンに
「別れましょう」なんてことは言わないと思うんだよね。
二人の関係に苦しくなって「もう別れる!」とか口走るのは
ショーケンのほうな気がします。(atマイ脳内
ま、ここでは「俺」の一人称なので、
これは「俺」=ショーケンの妄想でもあって、
ジュリーに「別れましょう」なんて言われちゃったら、
「俺」はこんなふうに言って引き止めるんだーって、
あれこれ考えてるってことですね。
かわいいっすなー。

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コメント
この記事へのコメント
初めまして。このブログおもしろすぎです。
私もオトナになってからジュリー再評価のクチで。今日は夜ヒットのDVDをずっとみてました。なかでも6の、一応見てみたオトナジュリー編に感動して号泣。いろんな感情が湧き出ましたよ。話長くなりますのでこの辺で。
2014/10/25(Sat) 18:55 | URL  | うめ #-[ 編集]
うめさま、はじめましてー
ブログを読んでくださり、ありがとうございます。

ジュリーの曲は大人になってから聞くと、また違う意味が見えてきたり、ジュリー自身の背景も加わったりで、一粒で二度三度美味しいですよね。
そんなことを考えつつ、「シングル曲で昭和女性史」をやっております。最後までやれるかどうか心もとないですが、少しずつでも進めていきたいと思います。よろしくお願いします。

夜ヒットDVDは、最初のほうは「これ、見た見た!」と懐かしく、5や6は見てないものもあるので、また新たな感動がありますよね。
2014/10/26(Sun) 11:48 | URL  | ゆう(管理人) #-[ 編集]
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