「ジュリーのシングル曲で昭和女性史」を考えてみよう

という無謀なことをやっております。
どこまで続くかわかりませんが、
途切れ途切れにでもやっていこうかと思います。
カテゴリは【ジュリーシングル曲で昭和女性史】
できれば、最初から順番に読んでいただけると嬉しいです。




この曲ってカバー曲だったんですね。
知りませんでした。
原曲は1970年にフランスでリリースされた、
マイク・ブラントの「Mais Dans La Lumiére」。
Youtubeで「Mike Brant」「Mais Dans La Lumiére」と
検索するといくつか歌っている動画を見ることができます。
ジュリーを男っぽくしたようなイケメンですわね。

フランス語は大学で勉強したはずですが、
記憶の彼方で、もはや全然わかりません。
Google翻訳に頼りつつ、
原曲の歌詞を単語単位で訳してざっくり見たところ、
「あなたの身体はすでに燃えている」とか、
「あなたは目を見開き叫ぶ ジュテーム」とか、
「私はあなたを崇拝する」とか、
「もっと光の中へ」「金色の光の中へ」とかとかとか、
以下繰り返し、みたいな。
ふたりのラブラブな夜を、
これでもかって調子で歌いあげてます。
原曲のマイク・ブラントさんが、
圧倒的な声量でワウワウ歌っているせいか、
すんごい明るいハッピーな曲に聴こえます。
間奏のところなんかシャウトしてるし。
こんな素敵な彼女とラブラブできて僕は幸せなんだー!
彼女は僕を愛してるって言ってくれるんだー!
もっともっともっと光を!
僕らの愛に光をー‼︎
みたいな。(ですよね?)
もう幸せの絶頂って感じです。
っていうか……これって………あのー、
ヤッてる最中の歌…ですよね?(ち…ちがう?)
んで、それがキモチヨクて幸せでもっとヤリたくて、
もうどうしましょう的な?
う〜〜ん、ラテン系っていうかなんていうか。

一方日本語の「魅せられた夜」の歌詞は、
ほぼ原曲の歌詞そのままのようですが、
ZUZUさん訳の叙情的な言葉が使われていて、
かなりソフトな表現になっています。
ラテン系の情熱的なベッドシーンてよりも、
お花やお星様が飛んでいる、
少女漫画の中のベッドシーンみたいな。
んで、
「濡れた夜」「涙」「落ちてゆくよ」
「ガラスの夜」「さまよう」
などなどの、なーんとなくネガティブなイメージの
言葉が散りばめられているために、
ぼんやり聴いていると、
なんか悲しい歌なのかな?って気がするんですが、
そんなことないですか?
アレンジもおとなしめになってますし、
あと、ジュリーの切なげなブレス入りの
甘い声のせいもあって、
最後は「もう離さない」とか言ってるんだけど、
でも、そう思い通りにはいかなかったんでしょ?
とか言いたくなります。
タイトルの「魅せられた夜」ってのも、
現在完了形の「魅せられた」なんだろうと思うんですが、
日本語の難しいところで、過去形も同じなせいで、
「魅せられた」のは過去のこと、
っていうふうにも聴こえますしね。

あと、あれだ。
「許されない愛」から「胸いっぱいの悲しみ」までの
6曲がどれも成就しない恋の歌だったせいで、
このころのジュリーのイメージが、
ただただ恋人が好きで好きでうれしー!
っていうふうではないんですよね。
歌詞のどこかにまた「のに」があるんじゃないかって、
そんな気がしつつ聴いてしまいます。
だもんで、いくら
「愛してる」「あなたがいる限り」「もう離さない」
とか言われても、素直に信じられないんですよ。
「ジュテームって言ってた“のに”」って歌詞が、
どこかに出てきてるような気になりませんか?
歌詞をよく読めばどこにもそんなフレーズは
出てきてないんですけどね。
これは、ジュリーイメージ戦略の勝利と
言っていいんでしょうか。
悲恋の王子さまイメージですね。

それに加えて、お国柄というのもあると思います。
あっけらかんと「ジュテームジュテーム」言って
幸せを謳歌する欧米と比べて、
恋愛に対して妙な罪悪感のあった70年代日本。
恋愛と結婚はやるこた同じなはずなのに、
感情が先走る恋愛は、理性で送るべき結婚生活には
邪魔だと思われていたふしがあります。
で、結婚はみんなしなきゃいけないことなので、
それの邪魔になる恋愛は悪いこと、みたいな。
そんな時代とお国柄に加えて、
当時のジュリー自身の、
なんだか見てはいけないもののような超絶美貌でもって、
いくら恋愛を謳歌する曲であっても、
どうしても悲しい暗いイメージが
つきまとうんじゃないでしょうか。
ま、そこがジュリーのいいところなんですけどね。

私はこれはリアルタイムでは聴いた覚えがなくて、
カバー曲だと思わずに聴いていたときは、
後追いファンということもあり、
「ジュテーム ジュテーム ジュテーム」ってのが、
ジュリーらしいなあと思ってました。
「パリの哀愁」でフランス映画に出てるし、
「巴里にひとり」でフランスデビューもしてるし、
後年の「女神」でも「ジュテーム」て言ってますしね。
あー、そのへんのイメージにつられてるのかもしれません。
ジュリーのシングル曲に「ジュテーム」が出てくるのは、
実はこの「魅せられた夜」が初めてなんですけどね。

「アイラブユー」だと健全で明るい感じがするのに、
「ジュテーム」っていうと、なんかちょっと湿度が高い感じ。
大人な感じと言ってもいいかもしれません。
70年代少女漫画派には圧倒的に「ジュテーム」のほうが、
ぽわわ~んとくるものがあります。
当時の少女漫画とかジュリーの曲とかは、
少女たちに大人な世界を垣間見せてくれるものだったんですよ。
そんな大人の世界には、やっぱり、
切なさとか苦しさみたいなものがスパイスとして
必要だったってことじゃないですかね。


と、この曲に関してはこんなところで。
だいたい、シチュエーションも、「あなた」がどんな女かの描写も
なんにもないですからね。
この曲で求められている女性像がなにかなんてわかりませんもん。

ところで、これの原曲を歌っているマイク・ブラントという人は、
イスラエル出身の歌手なんだそうです。
それがフランスでデビューして、この曲はデビュー3曲目。
デビュー以来続けてのヒットで、人気歌手だったんですね。
この約1年後にジュリーもフランスデビューするわけで、
フランスにはこういう外国人を受け入れる土壌のようなものが
当時はあったということでしょうか。
というか、この曲をカバーしたこと自体が、
ジュリーのフランスデビューの布石だったのかもしれませんね。



てなところで「裏」解釈ですが、
今回は酷い感じでお茶を濁しておりますので、あしからず…




今回はですね。
歌詞の中にシチュエーションもなんもないので、
「解釈」なんざできません!
濡れたり光ったりしてる美ジュリーが
あっはんうっふんしてる姿が浮かぶばかりでございます。

なので、こんな落書きでユルシテ。
キラキラ散りばめて、
前に描いたものの流用ですが、
背中に花も背負わせてみました。

魅せられた夜イラスト


ジュッテ〜ム!

ああ、すみませんすみません。

関連記事
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック