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ジュリーのシングル曲をネタにして、
昭和の女性が負わされていた女性像を考えてみよう


という無謀なことをやっております。
どこまで続くかわかりませんが、
途切れ途切れにでもやっていこうかと思います。
カテゴリは【ジュリーの曲で考える昭和女性幻想】
できれば、最初から順番に読んでいただけると嬉しいです。




その1では「ジュリーに騙されてたよ!」てなところで
終わっちゃいましたが、
別にジュリーは騙してたわけじゃないんですよね。
「ニーナ!」を自分になぞらえて、
私は「僕」=ジュリーの元にはいられないけど、
ジュリーは「忘れられない」「二度と離さない」って、
熱烈に想ってくれてるんだわ、ぽわわ〜〜ん……

と思うのは自由です。
ってか、それ狙って作ってますよね、この歌詞。

歌謡曲ってのは、歌詞と曲があって成り立っているものです。
しかも、歌は聴いてるそばから消えていくものですから、
上で私がやった深読みのように、
歌詞カードを何度も読み返して、
フレーズとフレーズの関係をほじくり出し、
離れた箇所にある言葉と言葉を関連付けたりはせず、
聴いた順番のまんま、
次々と現れては消えるイメージを追っていくだけ、
ということになるんですよ。
そうするってーと、
Aメロでこまごまと語られたシチュエーションや、
ニーナの様子なんかは、繋がったストーリーとしてではなく、
それぞれの言葉が醸し出すぼや〜っとしたイメージだけになり、
サビのところの印象的なメロディーと言葉、
「オー!ニーナ!忘れられない〜」ってところだけが、
最終的に頭に残るって寸法なわけです。
だからこそ、私もぼんやり聴いてたときには、
「僕」が浮気してたなんてことは考えず、
ただただ、ニーナのことを愛してるって歌なんだなあと、
ぽわわ〜んと思っていたんですね。
しかも、「追憶」のサビの部分は転調してて、
それまでの短調から長調になってんですよ。
嫌でも耳に残るし、なんというか、
肯定的な「忘れられない」「二度と離さない」ってな
イメージになるわけです。
それに加えて、その前に聴いては消えていった
ZUZUさんのお見事な言葉選びによるニーナの様子が、
ぼんやりと全体の世界観を形作っていて、
耽美なジュリーワールドに引きずり込まれ、
ただただ「じゅ〜〜りぃ〜〜」と身悶えるのみ。
私のようにちくちくと言葉尻を捉えて深読みするなんて、
本当は無粋というものです。
でも、深読みをしても、
きちんと一貫したストーリーが垣間見えるところがまた、
この曲の素晴らしいところだと思うんですよ。
たとえそれが、浮気男の後悔ぐずぐずな話だとしても。
ZUZUさんさすがでございます。

と、まあ、「追憶」の歌詞の分析はこんなところですが、
その1でも書いたように、このシリアス少女漫画的世界では、
どうも女主人公は幸せにはなれないものみたいです。
不倫三部作「死んでもいい」とか言ってた「僕」は、
もうそんなことは言わなくなってますが、
代わりに(?)今度は女のほうが、
恋のために死ぬ話になってます。
(歌詞の中ではっきり「死んだ」とは言ってないですが)
しかもですね、少女漫画でもそうでしたが、
女は恋のために本当に死んでしまうんですよ。
もしくは気が狂う。
不倫三部作の「僕」は「死ぬ死ぬ」言ってますが、
これは言ってるだけですよね。
そう言うことで、この愛は本物なんだと主張している。
でも、男は本当には死なないんです。
男が恋にやぶれて死んでしまう話や歌ってありますかね?
私は知らないです。(あったら教えて)
せいぜい旅立つぐらい?
不倫三部作のとこで語ったように、
戦前からの結婚観、恋愛観を受け継いだ世代にとって、
自由恋愛というのはふしだらなこと、
あったとしても若いころの一時の気の迷い、とされていました。
それに対して、男は「命をかける」と言って抵抗し、
愛する女を手に入れようとしたわけですが、
一方の女は「男の人は自由でうらやましいわ」とか言って、
男の愛には応えず、与えられた自分の人生に抗わず、
そのまま生きていくことを選択し、それを男が嘆く……
というのが定番でした。
それを、今度は女のほうも恋愛に身を投じたらどうなるか、
ということを描いたのが、「追憶」みたいな歌謡曲や、
アンハッピーエンドの少女漫画の数々だったと思うんですが、
自由恋愛をして「私は愛する人と生きるわ!」と決意した女は、
たいがいが(誤解ってこともよくあるけど)裏切られ、
周囲の強硬な反対に遭って、生きていくことができなくなり、
病んで死んでしまうか、自ら命を絶つことになるんですよ。
女は恋を失うと命まで失う。
ええ〜!と、今なら思いますが、
そこまでの恋愛ができるなんて素敵だわ〜と、
まだ恋に届かない少女たちはぽわわ〜んとなりつつ、
でも、誰だって死ぬのはいやですから、
どうしたら死ぬような目に遭わずに幸せな恋愛ができるのか
ってことを知らず知らずのうちに考えちゃうわけです。
アンハッピーエンドのお話はなにが障害になるかって言ったら、
身分、家柄違い(!)、男のほうが年下、ってのが王道。
あとは、男に以前に恋愛した相手がいるという、
その1で私が深読みした「追憶」パターンですね。
そういう男と恋愛したらつらい結末が待ってるんだと、
70年代の少女たちは、歌謡曲や少女漫画を通じて、
じわじわと学ばされていたんじゃないでしょうか。
一方、若いアイドルが歌う明るい恋の歌や、
ハッピーエンドのラブコメ漫画のお相手は、同級生や幼馴染み。
親の決めた許嫁ってのも定番でしたね。
最初は「親が決めた」ってことに抵抗してすったもんだあるけど、
相手のいいところを発見して惹かれ合い、
「やっぱりあなたが一番よ」とか言ってゴールイン……
てなストーリーも量産されてました。
「はいからさんが通る」か! なつかしい。
要するに、女は自分から愛したり、
愛する人を獲得しにいったりはせずに、
愛されて、その愛されたことに満足して嫁に行くのが幸せと、
そう示唆されていたってことじゃないでしょうか。
戦前となんも変わってないじゃないですか!

ちょっと話がずれますが、
一条ゆかりの「デザイナー」の主人公の亜美は、
孤児として育ち、自分ひとりの力で
トップモデルにまでのぼりつめた女性。
(18歳でトップモデル?とかつっこみどころはありますが、
 ま、そこは少女漫画ですから…)
で、足を怪我してモデルを続けられなくなると、
今度は猛勉強をしてデザイナーに転身する。
しかもその動機は自分を捨てた母親への復讐。
そこまでの亜美は本当にかっこよくて、
小学生の私はものすごく憧れたものでしたが、
亜美は、デザイナーになるために支援してくれた、
青年実業家の朱鷺を愛するようになると、
せっかく成功を収めたデザイナーの道をあっさりと捨てて、
朱鷺と結婚することを選びます。
別に結婚してもデザイナー続けりゃいいじゃんと思うんですが、
なぜか引退→結婚ということになるんです。
そして、それが亜美にとっては、
ものすごく幸せなことっていう描かれ方なんですよ。
で、それが破綻して、仕事も恋も失った亜美は死んでしまう
という、悲劇の結末が待っているわけです。
このさー、
女は自分の力で仕事で成功しても、
男に愛されなきゃ幸せじゃないはずだって、
なんなんですかね!
しかも!
その愛する男と一緒になるために
仕事を辞めたり諦めたりするんですよっ!
で、ハッピーエンドかと思いきや、
恋愛に生きる女は死ぬはめになる……と。
女は自分から愛しにはいくな、
愛されてこそ幸せだろう、
っていうのがここでも透けて見えてきます。
亜美は、愛してると言ってきたカメラマンと一緒になってれば、
なんの障害もなく幸せに暮らせたかもしれないし、
「砂の城」のナタリーも、
アメリカのお金持ちの男(名前忘れた)と結婚していれば、
心を病むことはなかったかもしれない。
「女が男を選ぶもんじゃない」という、
世間様(男)の声が聞こえるようです(ちっ)。
でも!
70年代少女漫画の中では、
いくら愛してると言われたからといって、
自分が愛していない男と一緒になるのは不実なことなんですよ。
でもでも、女が主体的に恋愛しようとすると死んでしまう……
ひでえダブルバインドですね。
いや、仕事のことを加えるとトリプルバインドか?
どうすりゃいいんですか。
「追憶」のニーナも、ただ「僕」の言うことだけを信じて、
「許して尽くして側に」いればよかったのに、
愛を誓うために髪を切ったり、思い詰めたりと、
主体的に愛しにいったために、
悲しむはめになったんじゃないでしょうか。
んで、我々少女は、
人を愛しすぎるのもよくないんだなあと、
いつのまにか刷り込まれたってわけですよ!
ええ、刷り込まれてます(笑)。

我々少女が熱狂し、
大人たちが眉をひそめていたはずの歌謡曲や少女漫画でも、
結局のところ、世間様が求める良妻賢母で受け身的な
昔ながらの女性像が正しいと押し付けられていたんだなあ
と思うとげんなりしますな。
ま、1970年代はそんな時代だったことだなあ…てなもんです。
はあ……。

とげんなりしたところで申し訳ないですが、
「追憶」の考察をこのへんで終わりにしたいと思います。




で、「裏」ですが……










今回は「裏解釈」とはちょっと違うんですが、
まあ、最後にちょこっと「腐」な要素も入ってるのでね。

この「追憶」は、去年(2014年)のツアーでも歌ってまして、
ボルサリーノを深くかぶって歌うジュリーのかっこいいのなんの!
ぽわわわ~ん……でございましたねっ!
でな、ジュリーの素晴らしいところは、
66歳のジュリーが歌うと、
リリース当時、26歳のジュリーが歌った「追憶」
全然違うように聴こえる、というところ。
ま、他の曲でもそうなんですが、
去年のツアーでは、この「追憶」が一番顕著だったように思います。

あのですね、「追憶」の「僕」は、
「お前を二度とは悲しませない」
「お前を二度とは離さない」
と、熱烈に愛を歌い上げてはおりますが、
26歳のぽやぽやした美麗若ジュリーが歌うと、
「いや…、今は本気でそう言ってんだろうけど、
 おまえ、ぜっっったいにまた同じことするだろ」
と、汚れっちまった大人になった私は思っちゃうわけですよ。
ま〜、若さってのはそういうもんですからね(達観)。
それが!
66歳ジュリーが歌うってえと、
本当にニーナを忘れられなくて、
ニーナを失ったことを本当に後悔してて、
もう一度めぐり逢えたら、
本当に「二度とは悲しませない」んだろうなあと思えます。
は〜、素晴らしい。
グレースのドラムの特徴のせいか、アレンジが少し違うのか、
昔の音源よりも全体的に重たい音になっていて、
ボーカルもどっしりと(体型ではなくw)安定感があって、
余裕綽々の超大人な男が、
ただひとつ、ニーナのことに関しては余裕をなくして
悲しんでいる……てなふうに聴こえました。
「胸に突き刺さる」のとこなんか、
ほんとに刺さってるみたいでしたし。
あー、かつてものすごく胸に突き刺さったニーナの瞳を忘れずに、
今でも当時の痛みとともにずっと思い続けてるんだなあ、みたいな。
まさに「追憶」ですね。
だいたいさー、
26歳ぽっちの人間が「追憶」とか言ったって浅いじゃん。
66歳ぐらいの人生の厚みがあってこその「追憶」じゃないと!

てなことをじゅり友さんたちときゃいきゃい話していて湧いたのが、
以下の今ジュリーの「追憶」物語です。

かつてどうしようもないチンピラだった「僕」は、
ニーナという幸薄い女と暮らしていた。
遊び相手の女の子には不自由せず、
ふらふらと浮気を繰り返す「僕」だったが、
ニーナは不安そうな瞳をしながらも、
そんな「僕」を許して、尽くして、側にいてくれた。
そんな折、マフィア(!)間の抗争に巻き込まれた
「僕」を助けようとして、ニーナはあっさり死んでしまう。
「あなたは生きて…強くなって」と言いながら、
「僕」の腕の中で息をひきとったニーナ。
そのニーナの言葉を胸に、
「僕」は40年かけて組織のトップにのぼりつめる。
金も女も、望むものはなんでも手に入るその地位に立って、
想うのは、忘れられないニーナのことばかり。
今ここにおまえがいたら、二度と悲しませないのに。
今の僕にはその力がある。
けれど、ニーナは戻ってはこない。
なにもかもが虚しい……。

ニーナ、僕はもう充分生きた。強くもなった。
約束を果たしたんだから、
もうおまえの側に行ってもいいかな……。
おまえがいなければ、手に入れたこの力にも意味はない。
弾を込めた拳銃を自分のこめかみに向けようとしたその時、
部屋のドアを開けて黒づくめの長身の男が入ってくる。
「ジュリー、今日はなんの日だぁ?」
ジュリーが手にしている拳銃が見えているだろうに、
それには触れず、少しおどけて聞く男。
「え……、1と9……、サリーの誕生日やけど…」
「バースデーソング歌ってくれへんか?」
「今?」
「うん。今、お前の歌が聴きたいんや」
「じゃ、じゃあ、歌っちゃうよ……」
戸惑いながらも、低く、よく響く声で
バースデーソングを歌うジュリー。
短い歌が終わろうとするそのとき、
サリーは近づき、ジュリーの手から拳銃を取り上げる。
そして、そのジュリーの手を取って引き寄せ、
長い腕でジュリーを包み込むとぎゅっと抱き締めて囁く。
「まだ、ニーナのところに行くには早い」
「え?」
「ニーナのことが忘れられないのはわかっとるけど、
 まだみんなはおまえを必要としとるし、
 俺だって……こうしておるやないか」
「サリー……」
ジュリーからもサリーの背中に腕がまわされ、
ふたりは固く抱き合う。
「おまえがつらいときにはいつだって、
 こうして俺が抱きにきてやるから」
「……うん、うん、サリー。
 俺…、もうちょっとがんばってみるよ」
泣き笑いのジュリーの髪の毛を撫でるサリーの手は大きく、
とても優しかった……

なーんてね。
ちょっと台詞を入れ替えさせていただきました。
9日のステージ上のハグは、本当に一瞬で、
照れたサリーがすぐに離れてしまったらしいですが、
私の脳内ではずーっと抱き合ってます。
ずーーーーっと。ほほほ。


実は妄想ジュリーがニーナの後を追おうとしていることを察して、
サリーに知らせ、ジュリーのもとに連れてきたのは
妄想タローさんなんだけど、
申し訳ないけど、部屋の外に置き去りです。ごめんタロー。





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コメント
この記事へのコメント
こんばんはー
おぉー。
完全復活ですね。冴え渡る筆!

2014版追憶は完璧でしたね。
大好きです。
で、マフィアのボスジュリ・・素敵ですわー♡
あの名シーンも再現・・嬉しいです。
妄想タロさんグッジョブですね。
2015/01/15(Thu) 22:23 | URL  | kinpira #-[ 編集]
kinpiraさま、こんばんはー
ありがとうございます。
完全復活…かなあ?
とりあえず、1曲分なんとか書き上げました。
続きは気長にお待ちくださいませ。

去年の「追憶」は、本当に本当にかっこよかったですよねー。
黒のボルサリーノがまたマフィア感満載でした。
またお帽子かぶってくれないかなあ。
2015/01/15(Thu) 23:36 | URL  | ゆう(管理人) #-[ 編集]
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